「オデッセイ」はどんな理由で売れていたのか? ユーザー分析で見えたホンダ内での存在意義
東洋経済オンライン / 2024年2月6日 12時10分
エスティマ以外はいずれも3割程度が同一車種からの乗り換えであり、オデッセイと近い。オデッセイは四半世紀以上販売されていたモデルであるし、他の車種もロングセラーかつ人気モデルゆえに高い値であるといえる。
なお、直近のアルファード/ヴェルファイア購入者においては、同一車種からの乗り換え率はさらに上昇して4割程度となっており、トヨタによる包囲網はより強固になっていると言えよう。
ちなみに、購入したクルマの他に「何台所有しているか」では、オデッセイ、ステップワゴンの購入者は世帯内に別のクルマを持たない人(1台のみ保有)が50%と高かった。複数台保有者の割合が最も多いのはヴェルファイアであり、62%のユーザーが2台以上保有している。
「購入時の重視点」はオデッセイならでは
続いて「購入時の重視点」を見ていこう。オデッセイで重視されているのは、「スタイル・外観」「内装デザイン」「走る楽しさ」「乗り降りのしやすさ」「高速走行時の安定感」となっている。
特に「スタイル・外観」と答えた人は7割を超えており、ヴェルファイアと近い値となっている。「内装デザイン」もアルファード/ヴェルファイア、エルグランドには及ばないものの、高い。
一方、同じホンダのステップワゴンは、「スタイル・外観」「内装デザイン」ともに低く、選ばれる理由が違うことは明らかだ。
それ以外の3車種(エスティマ、アルファード、エルグランド)は、オデッセイより少し下の65%程度だった。このことから、オデッセイはステップワゴンよりも見た目を重視する層を多く取り込んでおり、同じく外観デザインを重視するヴェルファイアなどと競い合っていたと見ることができる。
オデッセイの一時終売によって、こういった顧客をホンダが逃した可能性は否定できない。
次に「走る楽しさ」「高速走行時の安定感」については、ミニバンでありながら低重心で「走りの良さ」を強みとしてきたオデッセイらしい結果である。「乗り降りのしやすさ」も、低床によるメリットが示された結果であろう。
各車に「あてはまるイメージ」の結果も紹介する。こちらはオデッセイを購入した人はオデッセイについて、エスティマを購入した人はエスティマについてのイメージをそれぞれ回答した結果である。
オデッセイでは「スポーティ」「高性能・走りのよい」「運転を楽しめる」において高い値となっており、低床プラットフォームによる独自の強みが出ているといえる。
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