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JR西の新駅で利用客が激減した私鉄駅はどこ? 関西私鉄の駅とJRの駅、ユニークな関係の数々

東洋経済オンライン / 2024年2月6日 6時30分

2016年になると約5600人に減った。この乗客減の主因になったのが同年3月、西灘駅から約300m北に開業したJR神戸線(東海道本線)の摩耶駅だ。かつては東灘信号場が存在した。

摩耶駅周辺においてもマンション開発が進んでいる。また、西灘駅と比較すると、大阪駅へは10分弱も早く着く。関西エリアでのJR西日本の新駅開業の特徴は、地元自治体が積極的に誘致した「請願駅」ではなく、地元自治体と協力しながらも、あくまでJR西日本が主体となっている点だ。「JR西日本による投資」ともいえるだろう。新駅開業にともない、駅周辺のマンション建設等もセットで行われる。

当然のことながら、新しく建設されるマンションは新駅との接続が考慮されるから、住民の多くはJR西日本へと流れることは容易に想像がつく。つまり、私鉄からすれば開発の恩恵にあずかれないどころか、逆に既存ユーザーが離れる格好になっているのだ。

もちろん、JR西日本のすべての新線・新駅が私鉄の利用客を大幅に減らしているわけでもない。新駅開業にともない、大幅に利用客が減少した駅、それほど減少しなかった駅を観察・考察するのも面白いだろう。

時代が令和になり、関西私鉄とJR西日本との関係にも変化が見られる。近年では関西私鉄とJR西日本との共同アプリに関して協力関係にある。少なくとも、昭和から平成にかけて見られた関西私鉄とJR(国鉄)とのバチバチのライバル関係とは違うように思える。

とはいえ、趣味目線から見ると、関西私鉄とJRとの熱い勝負も時には見てみたいものだ。そこで、駅にスポットを当て、関西私鉄とJRとの興味深い関係を見ていこう。

阪急はJRと競っている駅が多く、正直なところ選定に迷う。そのなかで筆者が選んだのは神戸本線の六甲駅とJR神戸線の六甲道駅だ。六甲駅から南へ約700mのところに六甲道駅があり、六甲駅―六甲道駅間には神戸市バスがひっきりなしに走る。

1日の利用者数は、六甲駅が乗降者数約2万5000人で、わずかながら特急停車駅の岡本駅よりも多い。一方、六甲道駅の乗車客数は約2万2000人(2021年度)だ。

興味深いのは利用者の年齢層だ。夕方の六甲駅には進学校で知られる六甲学院高校をはじめ、多くの私立高校の学生を見かける。一方、六甲道駅では六甲駅と比較すると学生の姿は少ないように感じる。私立高校に通わせるだけの財力がある家庭は阪急沿線を好むのか、と想像するのは筆者だけではないだろう。もちろん、700m歩くのを省くために、阪急を利用することも大いに考えられる。

京阪伏見稲荷駅とJR稲荷駅の関係

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