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ファーウェイが作る「スマートカー連合」の野望 東風汽車傘下の新興ブランドと戦略提携に調印

東洋経済オンライン / 2024年2月8日 18時0分

ファーウェイは同社のスマートカー技術を採用する自動車メーカーの連合作りを進めている。写真は新たに戦略提携した嵐図汽車の主力SUV「嵐図FREE」(同社ウェブサイトより)

中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が、自動運転などのスマートカー技術で協業する自動車メーカーを増やしている。

【写真】ファーウェイは異なるメーカーの車種の販路を統一する試みも進める。写真は同社が主導する鴻蒙智行アライアンスのウェブサイトより

ファーウェイの自動車関連事業部門である「スマートカー・ソリューション・ビジネスユニット(スマートカーBU)」と新興自動車ブランドの嵐図汽車(VOYAH)は1月22日、両者が戦略提携契約に調印し、スマートカー技術の実用化を共同で進めると発表した。

嵐図汽車は、国有自動車大手の東風汽車集団が2021年に設立した新エネルギー車専門の高級ブランドだ。現時点では主力SUV「嵐図FREE」など3車種を生産・販売している。

(訳注:「新エネルギー車」は中国独自の定義で、電気自動車[EV]、プラグインハイブリッド車[PHV]、燃料電池車[FCV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)

自動車メーカーの出資受け入れ

ファーウェイと嵐図汽車は、戦略提携の詳細については明かしていない。財新記者の取材に応じた関係者によれば、嵐図汽車がファーウェイのスマートカー技術を自社製品に搭載するほか、ファーウェイがスマートカーBUを母体に設立する新会社に東風汽車集団が出資を検討しているという。

2023年11月、ファーウェイはスマートカー向けのシステム開発や部品のソリューション開発を手がける新会社を立ち上げ、協業先の自動車メーカーから広く出資を受け入れる計画を発表。と同時に、国有自動車大手の長安汽車が先陣を切って新会社への出資を決めた。

その後、複数の自動車メーカーがメディアの取材に対し、ファーウェイから出資の打診を受けたことや、出資の是非を検討していることを認めた。国有自動車大手の第一汽車集団は、ファーウェイとの交渉を直ちに始めると表明。東風汽車集団も接触を持ったとコメントしていた。

2024年1月16日には、ファーウェイが新会社の設立登記をすませたことが明らかになった。企業登記情報によれば、その社名は「引望智能技術」、資本金は10億元(約207億8920万円)で、現時点ではファーウェイの100%出資になっている。関係者によれば、長安汽車やその他の自動車メーカーの出資比率が確定した後、登記情報を更新する予定だ。

ファーウェイはスマートカー関連のシステムや部品のサプライヤーを志向しており、「自社ブランドの自動車は作らない」と一貫して強調してきた。しかし自動車メーカーの間では、ファーウェイの言葉を疑い、協業を躊躇する声が最近まで少なくなかった。

“金食い虫”への思惑が一致

今回の新会社設立は、ファーウェイが(自動車メーカーの出資を受け入れることで)上述の懸念を払拭するのに役立つとみられている。さらに、中国の自動車市場ではスマート機能のレベルが消費者のクルマ選びを左右するようになり、自動車メーカー側でもファーウェイの先進技術を取り込みたいという思惑が生じている。

「中国の自動車メーカーにとって、自動運転技術は想定を超える“金食い虫”だ。全てのメーカーが自社開発を続けるのは現実的ではない。その一方、ファーウェイがスマートカーBUの分離(による新会社設立)を決めたのも、先行投資の大きさに対してリターンが低すぎるのが一因だろう」

ある自動運転技術の専門家は、財新記者の取材に対してそう述べ、一部の自動車メーカーとファーウェイの協業は双方にメリットがあるとの見方を示した。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は1月22日

財新 Biz&Tech

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