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渋谷と「ハチ公」でつながる、秋田ご当地鉄道事情 かつては寝台特急、いまは新幹線が東京と結ぶ

東洋経済オンライン / 2024年2月8日 6時30分

そんなローカル線を横目に、秋田新幹線の旅を続けよう。新幹線は、花火で有名な大曲の駅でスイッチバックを強いられる。大曲駅で田沢湖線が終わり、ここからは奥羽本線に乗り入れる形になるからだ。

奥羽本線は、福島駅を起点に米沢・山形・新庄を経て及位―院内間で秋田県に入る。かまくらで知られる横手駅では北上線と接続し、大曲駅では田沢湖線。かつては寝台特急も走った大動脈だったが、いまは山形・秋田新幹線が乗り入れるだけ。とくに新庄―大曲間はほとんど普通列車だけの、事実上のローカル区間になっている。

ともあれ、大曲駅から秋田新幹線は奥羽本線の線路の上を走る。山形新幹線区間は新幹線に合わせて在来の普通列車も標準軌に変更しているが、こちらは狭軌と標準軌の併存区間。三線軌道になっているところもあれば、狭軌と標準軌の単線並列になっているところもある。

県都の玄関、秋田駅

そうして雄物川沿いを走り、秋田県都の玄関口・秋田駅。秋田市は、人口約30万人。東北地方では仙台・いわき・郡山に次ぐ、第4の規模を誇る都市だ。駅の西側には久保田城。駅前一帯には中心市街地が広がっている。

秋田駅に乗り入れている路線には、奥羽本線・秋田新幹線に加えて羽越本線がある。羽越本線は、新潟県の新津駅を起点に山形県内の日本海側、鶴岡・酒田などを経て秋田までやってくる。

秋田県内では羽後本荘駅で第三セクターの由利高原鉄道鳥海山ろく線を分ける。羽後本荘―矢島間23kmという短い盲腸線で、その名の通り鳥海山の北麓を走るローカル線だ。秋田おばこに扮したアテンダントが乗務するなど、観光路線としての側面も持っている。

秋田駅に戻ろう。秋田新幹線はここで終わりだが、奥羽本線はまだまだ続く。特急「つがる」が秋田―青森間を1日に3往復。かつては特急「あけぼの」なども走っていた大動脈も、いまはミニ新幹線を除けば「つがる」が最後の特急列車である。

ただ、青森に気持ちが行くのはまだ気が早い。秋田駅を出ると、土崎港という藩政時代からの要港に近い土崎駅。ここからは貨物支線の秋田港線が分かれていて、ごくまれに秋田港に寄港するクルーズ船の乗客のための旅客営業を行っている。

非電化の男鹿線を走る“電車”

さらに、追分駅からはなまはげでおなじみ男鹿半島に向かう男鹿線を分ける。秋田湾沿いを走って男鹿駅へ。途中、天王―船越間では八郎潟から流れる船越水道を通っている。

このローカル線の特徴は、蓄電池駆動電車EV-E801系「ACCUM」を使っていることだ。2017年から蓄電池、つまり電池を使った電車が走る非電化路線。ディーゼルカーとは違って、走っていても車内は実に静かで、電気自動車気分が味わえる。

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