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半導体市況はAI頼み?各社が語った不況の出口 用途別で明暗が分かれる企業業績の今後

東洋経済オンライン / 2024年2月8日 8時0分

右のテスタから写真は時計回りにブレードダイサーとシリコンウェハー。いずれも半導体の製造に欠かせない材料や製品だ(写真:アドバンテスト、ディスコ、信越化学工業)

年明け以降の株式市場で日本株の急騰を牽引してきた半導体関連企業。1月末からその多くで決算発表が相次いでいる。半導体メーカーが新規の設備投資を抑えていた影響で、関連企業の2023年度業績が冴えないことはすでに織り込み済み。気になるのは2024年度以降の見通しだ。

【写真】AI半導体の代表格として知られるのが「エヌビディアのGPU」だ

半導体の世界出荷額で過半を占めるのが、演算に使われるロジック半導体と一時・長期記憶の機能がある半導体メモリー。どちらもメイン用途はスマートフォンやパソコン向けだ。そのためこれまでは、スマホ・パソコン市場がいつ回復するかに焦点が当たっていた。

だが、足元で発表の続く決算での注目点は少し異なる。最大の需要先の動向はもちろん重要ではあるものの、各社の説明会で語られたのはむしろ「AI半導体への期待」だった。

超高速メモリー需要捉えるアドバンテスト

「3カ月前の段階では『HBM』の需要が盛り上がっている最中だった。昨年末にかけて、2025年までを見据えた見通しを顧客からもらった。以前よりも一段と上がっている感じがある」

決算説明会でそう話したのは、アドバンテストの吉田芳明社長だ。半導体がきちんと動作するかを製造工程の最終段階などで試験するテスタと呼ばれる装置をアドバンテストは手がけている。

アメリカの半導体メーカー・エヌビディアのGPU(画像処理半導体)は、生成AIの開発にも使われるAI半導体として注目されている。そのエヌビディア向けのテスタを独占供給するのがアドバンテストだ。(詳しくは2023年7月12日配信『日本の「半導体検査装置」に訪れる生成AIブーム』に)

アドバンテストが今年期待を寄せるのは吉田社長の語った「HBM(広帯域幅メモリー)」向けのテスタだ。HBMとは、GPUなどのAI半導体と併せて使われる超高速の半導体メモリーである。

HBM市場をリードするのは韓国の大手メモリーメーカー・SKハイニックス。2023年のHBM製品の売上高は前年比5倍以上にまで拡大。2024年には生産能力をおよそ2倍に引き上げると公言している。

アドバンテストにおいてもHBM向けの売り上げ増が2024年業績に大きく貢献する見通しだ。高性能メモリー向けのテスタ市場について吉田社長は、「顧客の増産計画によって需要が急峻に立ち上がり、活況が数年続くと見ている」と強気の見方を示した。

ディスコや信越もAI関連に自信

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