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「大雪の通行止め」が露わにした判断の困難さ 246に甲州街道…一般道も閉鎖で大渋滞に

東洋経済オンライン / 2024年2月10日 11時40分

「中原区を通るから中原街道と名付けられた」と思われがちだが、中原は平塚市の地名。「中原街道が通っているから中原区と名付けられた」というのが真相である。通常でも朝夕は通勤の車で渋滞が発生する道路ではあるが、今回の混雑は渋滞というよりも「閉じ込め」という状況であった。

なぜ、こんな事態になったのか?

経緯を改めて振り返ると、前週の木曜日あたりから週末、週明けにかけて「都心部でも雪の可能性がある」という予報は出されており、5日朝には「積雪の可能性が高い」ことが報じられていた。

そして、まだ雪が本格的に降る前、道路もまだ乾いている状態で首都高の多くの路線が相次いで計画閉鎖され、それと接続する高速道路も閉鎖された。

さらに驚いたのが、並行する国道の閉鎖である。国道は高速道路と違い、「特定の入口を閉鎖すれば、クルマが入ってこない」ということはなく、いくらでも脇道から進入できる。

これまで国土交通省やNEXCO各社では、高速道路と並行する一般道は、物流の妨げにならないよう「どちらかはできるだけ閉鎖しない」という方針だったが、片方閉鎖してももう片方にクルマが殺到して混乱する恐れもあり、実は近年、一般道でも予防的な通行止めを行う方針に転換していた。

今回は、雪道に不慣れなドライバーが多い東京での積雪予想ということもあり、高速道路・一般道ともに閉鎖の判断に至ったと国土交通省では説明している。当日は不要不急の外出を控えるよう繰り返しアナウンスされていたが、月曜日で仕事のクルマも多く、しかも朝出かける時間帯にはまだ雪の気配はあまりなかった。

そのため、午後に主要道路が閉鎖されると、中原街道だけではなく246号線、そこに接続する環状七号線(環七)や環状八号線(環八)でもまったく動かないような状況が生じたと考えられる。とはいえ、(大渋滞に巻き込まれた方々には申し訳ないが)この早目の判断により、高速道路での立ち往生という最悪の事態はほぼ回避された。

特に首都高では、天気が回復してもその構造上の問題(路側帯がほとんどなく雪の排出の場所がないこと、路線の多くが高架で地熱による雪解けが期待ができないことなど)で、通行止めはなんと50時間以上続き、7日午後にようやく全面的に解除された。多くのクルマが首都高の上で数珠つなぎになっていたら、より深刻な事態になっていただろう。

「予防的な閉鎖」が周知されれば

関東平野南部、特に東京付近は、どんなに冬型の気圧配置が強くても晴天が続く反面、春が近くなると発生する南岸低気圧の通過で雪が降りやすいという、日本でも特異な降雪パターンの地域である。しかも、強い冬型の雪の予想とは異なり、低気圧の通過位置が少しずれるだけで雨になったり雪になったり微妙に変化する。

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