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名門女子校校長の「品格ある生き方」のための教え ニュースキャスター国谷裕子さんこそがお手本

東洋経済オンライン / 2024年2月11日 15時0分

こうありたいという生き方を、いつも自分に問い続ける。そのような問いかけが、品格のある生き方へとつながる道なのかもしれません。

「隣人を愛する」の本当の意味

では、「心を清くし 愛の人であれ」の「愛の人であれ」とは、どういうことでしょう。

愛には、自己愛や家族愛、異性への愛や人間愛、動物・植物への愛など、さまざまなものがあります。カトリックの教えでは、愛とはアガペ(無償の愛)であるとされています。しかし、いざ実践となると、これもまたむずかしい場面ばかりです。

思いやりや優しさをもって、本当の愛とはなにかを考えながら行動する。

「愛の人」でいられるように祈る。そして、「愛の人とは?」と自分自身に問いながら行動し続ける。

それが、日々できることではないかと考えています。

ただし、「こうあらねば」と一心に思い詰めると、誰でも疲れてしまいます。そうすると自分にも人にも厳しくなってしまい、さらに疲弊するものです。

だから、できるところからでいいのです。ときには自分をゆるませながら、ユーモアや遊び心をもって、ちょうどよいバランスで進んでいくことの大切さを感じています。

自分に常に問い続けること

ここ数年、愛読している作家若松英輔さんの『生きる哲学』(文藝春秋)の中に、ハッとさせられる言葉がありました。

「人間には誰しもが担わなくてはならない人生の問いがあり、それは他人に背負ってもらうことはできない」という一文です。

簡単に結果が得られるものではないからこそ、大切な指針として、自分自身に問い続けることが求められるのでしょう。そして、品格のある人とは、常に自分自身の生き方を自分に問い続けている人なのでしょう。

その核となるのが、「愛の人」であることの意味を問い続けることだと、今理解しています。

聖書では、「あなたの隣人を愛しなさい」と、くり返し説かれています。ただし、そこには見落としてはならない視点があります。本来この言葉は、「隣人を自分と同じように愛しなさい」と書かれているのです。

つまり、自分を放り出してまで人に尽くすのではなく、自分自身を愛で満たすことが重要だということです。

20代の頃は、自分を愛するといわれても、今ひとつピンと来ませんでした。自分を愛する余裕などなかったというのが正直なところです。

しかし、カウンセリングを学んだり、さまざまな出会いを重ねたりするなかで、少しずつ変化が起きました。自分にいつもバリアを張り、「こう見られたい」とこだわるのは、自分をないがしろにしているのではないかと気づいたのです。

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