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「年をとっても成果を出せる人」がやらないこと 無意識のうちに難しい道を選んでしまうあなたへ

東洋経済オンライン / 2024年2月15日 6時50分

「受験勉強は基礎からコツコツと積み上げていくもの」という当時の常識を覆して、点数アップにつながる受験勉強のための秘訣を伝授したのですが、当時は昭和末期、まだまだスパルタ教育の名残があった頃だったせいか、「そんなやり方では子どもがダメになる」「考える力がなくなる」と酷評も受けたものです。

もっと前の時代、スポーツの世界では「練習中に水を飲んではいけない」と言われていたものです。けれども、その後、「あれは間違いだった」「水は飲んだほうがいい」と否定されるようになりました。

それなのに、勉強に関してはそれ以前からの考えが根づいていて、「成績が上がらなかったらもっと勉強しなさい」という根性論が幅をきかせていました。いえ、当時だけではなく今でもまだその傾向があります。

けれども、冷静に考えてみてください。「頑張って勉強しているのに成績が上がらないということは、やり方が間違っているのではないか」と、なぜ思わないのでしょう。

「成果が出ない原因は頑張りが足りないから」というのでは、何の解決にもなっていません。その方法でますます勉強させれば、成績は大して上がらないまま、子どもをどんどん苦しめることになります。それなら、もっと無理なく楽にできて効果の高い方法を探せばいいのです。

楽な方法というと、「手を抜く」「サボる」「ズルをする」というイメージがあるかもしれません。けれども、決してそうではなく、無理することなく、苦しまず、体や心に負担をかけることなく、高い効果を得られる方法は必ずあります。それなのになぜか、苦しいこと、つらいこと、困難なことのほうが正しいに違いないという思い込みがいまだに生きているのです。

私の言っていることは一貫して変わりません。ずっと「今よりもっと楽で成果を上げる方法を探そう」「自分が楽をすることを許せる人間になろう」と伝え続けているのです。

今よりもっと楽な道が必ず見つかる

私が受験勉強の際に得た哲学のひとつに、どんな仕事でも、どんな課題でも、今よりも楽に結果が出せる方法はあるはずだということがあります。

たとえば数学の問題を解くには、一から問題に取り組むのが正しいやり方と言われていました。けれども、そのやり方で数学ができない、苦手だというのなら、別のやり方を考えればいい。まず答えを覚えて、解法パターンを身につければいいわけです。

数学はいろいろな解法パターンを知っているほうが引き出しが多いので、それだけで解ける問題の幅がぐっと広がります。将棋も同様で、定跡を身につけます。

頭の中の引き出しを増やす段階と、それを使ってものを考える段階をきちんと分けて考えれば、はじめはまず解法を覚えるのに徹したほうが効率がいい。解法パターンを身につける時期に、わざわざ一から自分で問題を解くと時間ばかりかかって効率が悪いのです。

けれども、そのような話をすると「それでは考える力がつかない」という人が現れ、まるでズルをしていい点を取っているかのような言われ方をしてしまいます。

当然のことですが、ズルをしているわけではありません。自分が数学が得意になるために最もいいと思う方法を選ぶという話です。

どんな道であっても、いい結果を出すためには楽な方法があるはずです。今までの方法を見直して、もっと効率よく結果を出す方法を工夫してみましょう。そうやって自分なりのいい方法を見つける人のほうが、人生うまくいくものです。

和田 秀樹:精神科医

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