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新NISAでも活用できる「対数」東大生が教える凄さ 利息の計算が超簡単に!知っておくと役立つ考え方

東洋経済オンライン / 2024年2月15日 11時30分

対数は膨大な量の計算を簡単に行うために使われます。さきほどの問題で考えると、何年後に2倍になるかを求めるため、それを「n年後」と置きます。すると、n年間にわたって毎年元金が1.04倍されていくため、n年後には「1.04n」倍になります。よって、2倍になる年数は

1.04n=2

を解いて得られるnの値になることがわかります。これを通常の計算で求めようとすると

1年目:1.041=1.04

2年目:1.042=1.0816

3年目:1.043=1.124864

……

17年目:1.0417=1.9479

18年目:1.0418=2.025817

と、2倍になるまで計算し続けることになるため、非常に時間がかかります。ここで便利なのが「対数(log)」です。

対数とは、「ある数Xをt乗してYになるとした場合の指数t」のことを指しており、この「t」を「Xを底(てい)とするYの対数」と呼びます。

難しい表現になってしまいましたが、簡単な数字を例に挙げてみると「2の3乗が8である」ことを、「2を底とする8の対数は3である」と表し、次の式で表されます。

log28=3

これは、高校数学の数学Ⅱの範囲に入っており、多くの場合高校2年生で学習します。この式で小さく書かれている数字「2」が「底」であり、それに対して8の対数が「3」であるということです。

高校数学でよく使われる「対数をとる」

年利4%で2倍になる年数は1.04n=2を解いて得られるnの値でした。このnを求めるために式の両辺に「log10」をつけてみましょう。

log101.04n=log102

左辺と右辺は同じものであることを等号が表しているので、両辺にlogをつけても式は成立します。この式変形は高校数学においては非常によく用いられ、「両辺の対数をとる」と表現されます。さらに計算を進めると

log101.04n=log102

nlog101.04=log102(※公式logaMn=nlogaMを利用)

n=log102/log101.04

n=0.301/0.017(※常用対数表を参照)

n=17.7……

となり、これを超える整数である18回で元金の2倍を超えることがわかるのです。

この式でも答えは導きにくいように見えますが、実はこれ、スマートフォンにあらかじめインストールされている電卓アプリでも計算できるのです。例えば、iPhoneの「計算機」アプリを起動して横向きにすると、「log10」というボタンがあるのがわかります。

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