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今から家買う人に伝えたい「絶対重視すべき3基準」 戸建て?マンション?自分に合う選択をするコツ

東洋経済オンライン / 2024年2月15日 12時20分

また、急激な温度変化によって脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすヒートショックは冬場の風呂場で高齢者が発症することが多い。厚生労働省の調べで、入浴中の事故死の数は年間1.9万人に及ぶと推計されている。

家に求めるものの3つ目は資産性で、お金の問題である。

マンションは買った価格から値上がりすることがあるが、戸建てでは原則ない。誰にでも必要な自宅で住み替えながら資産形成できるのはマンションだが、戸建ては木造の耐用年数である22年は住み続けることが求められる。中古戸建ての取引価格は、土地価格+減価償却後の建物価格となるが、土地価格は安定していてほぼ下がらないのに対して、建物価格は22年でゼロ評価になるからだ。

家を売却する際は住宅ローンを全額返済しなければならない。資産価値が最初の22年下がりやすい戸建てにとっての最大のリスクは離婚だ。どんなことがあっても離婚しないというなら、戸建てを選択することができる。

戸建ては評価に大きな差が出る

安全性・断熱性・資産性の3つの評価軸から、マンションと戸建てを評価しよう。マンションは鉄筋コンクリート造なので、圧死するリスクが低く、冬は室内も寒いがヒートショックを起こすほどではない。非常に優れているとはいえないが、この2点でどの物件も100点満点中70点程度で大きな差がなく、一定の安心感はある。

だからこそ、差がつくのは資産性で、立地の良し悪しで価格の下がり方が大きく違い、都心のタワーマンションなどでは資産形成しやすいことは証明できている。

戸建ては、資産性は建物価格の減価償却で下がるしかなく、値上がりはほぼ期待できない。一方で、安全性・断熱性は建てる側の一存で、評価点としては30~90点まで大きな差が出るイメージになる。マンションがどれも70点ほどなのに対して、それを上回るレベルから、大きく下回るレベルまで雲泥の差がつくのが戸建て業界の実態だ。

戸建てにも分譲戸建てと注文戸建てがある。分譲は少なくとも住宅性能評価書がないものは論外と言っていいだろう。安全性は耐震性能・劣化対策等級、断熱性は断熱等級で判明する。この評価を取るのは数万円でできる。やらないのは低い評価にしかならないからと考えざるをえない。

戸建ては性能が最重要事項

注文戸建てでも住宅の性能差は大きい。命と健康に関わる問題をないがしろにする家はもはや家ではなく、災害の際に凶器と化してしまうことを忘れてはならない。そのコストは住宅ローンを組んで月々に直すと大した金額にはならない。

また、住宅ローンを組むと団信がもれなくついてくる。団信とはローンの返済者が亡くなると、返済がなくなる生命保険である。家を購入したら、まずは無駄な生命保険は解約しよう。それで命と健康に寄与する家を手に入れることができるからだ。

こうした判断軸から、資産性重視でマンションを選ぶか、命と健康重視で戸建てを選ぶか決めよう。そして、戸建てについては、性能を最重要事項にして健康で寿命が延びる家を手に入れよう。それらの幸福感は住んで1年と経たずに気づくはずだ。

沖 有人:不動産コンサルタント

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