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三井不、オリエンタルランドとの「縁切り」の焦点 物言う株主が政策保有株の売却を要請

東洋経済オンライン / 2024年2月15日 7時30分

三井不動産はオリエンタルランドの大株主だが、同社株保有の意義が問われている(記者撮影)

アクティビスト(物言う株主)で知られるアメリカ投資ファンドのエリオット・マネジメントが、三井不動産の株式を取得したことがこのほど明らかになった。関係者によれば、エリオットは発行済み株式の2.5%強を保有しているという。

【図解】三井不動産のオリエンタルランド株保有比率は年々減少している

東芝やソフトバンクグループ、大日本印刷と名だたる日本企業に対して、経営改善を求めてきたエリオット。今回照準を定めたのが、三井不が保有するオリエンタルランド(OLC)の株式だ。

アクティビストの登場によって、半世紀にわたった三井不とOLCの関係に終止符は打たれるだろうか。

同業に劣後する資本効率

2023年3月末時点で、三井不が保有するOLC株は約2200万株、簿価にして約5000億円に上る。エリオットはOLC株を含む有価証券や低稼働資産の売却を原資に、1兆円規模の自己株取得を求めており、両者はすでに協議の場を設けているようだ。エリオットによる保有の有無や対話状況について、三井不はコメントをしていない。

かねて日本企業への投資を行っているエリオット。関係者によれば、三井不に関心を抱いた直接のきっかけは、2023年4月に就任した植田俊社長の姿勢だという。

「ROE (自己資本利益率)は重要な KPI (重要達成度指標)であり、ROEをどのように維持・向上させていくかが重要な課題だ」。“デビュー戦”となった2023年5月の決算説明会で、植田社長はこう強調した。資産の入れ替えを通じた資本効率の改善や、株主還元の強化を訴える植田社長の姿勢に、エリオットは着目した。

同業に劣る三井不の資本効率も、エリオットを呼び寄せる一因となった。2023年3月期の三井不のROEは6.9%。対する同業他社は三菱地所が7.9%、住友不動産が9.4%、野村不動産ホールディングスが10.1%。資本効率を引き上げるには遊休資産の放出が必要だ。そこでやり玉にあがったのが、長らく眠っていた多額のOLC株だった。

OLCは1960年、浦安沖の埋め立て工事を目的に設立された。その時出資した一社が三井不だ。OLC上場直前の1996年9月時点で、三井不は株式の38%を保有する筆頭株主だった。

徐々に疎遠になっていく三井不

だが、その後は徐々に疎遠になっていく。2000年から筆頭株主の座を京成電鉄に譲り、その後も保有比率は漸減。2010年には取締役の派遣もやめ、持ち分法適用会社からも外れた。

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