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株投資する人が押さえておかないと危ない重大事 財務諸表は投資先企業の「商品レビュー」だと思え

東洋経済オンライン / 2024年2月16日 15時0分

自分で会社を経営していると、成長初期には利益よりも売上高が重要であり、その後は当期純益よりも営業利益のほうが重要であり、現金フローがよくないと黒字倒産する恐れもあるということがわかってくる。

財務諸表を理解して読み込めば見えてくること

財務諸表には、これらの情報がすべて入っている。当期純益は不動産の売却や他の投資によって増やすことができるが、営業利益の減少は本業の成績が振るわず資本を食い潰している状態だと解釈できる。

資本は多くても現金保有高ばかりが多くて事業投資が少なければ、これも経営状態を疑うべきだし、逆に成長が速く売上高が増加しているのに収益が伸びていないなら、急成長する可能性もある。こうした会社は市場でシェアを伸ばして利益構造を改善すれば、市場を独占する強者になるからだ。これらすべてのことが、財務諸表を理解して読み込めば見えてくるのだ。

結論から言うとこうだ。

私は身近にいる専門家が、その職業的知識を彼ら自身のために使わないケースを多く見てきた。甲状腺の専門医が甲状腺疾患にかかったり、弁護士なのに詐欺に遭ったり、会計士なのに世間の噂を信じて投資したりといった例はよくある。

会計士が一般の投資者よりも投資で好成績を収めているという話は聞いたことがない。医者が一般人よりも健康だという調査もないし、弁護士に世渡りがうまい人が多いという保証もない。

しかし、自分たちが望みさえすれば、医者は最も健康になれるはずだし、弁護士は最も公正な待遇を受けられる。会計士だって、最も投資で成功できるはずだ。

なのに、一般人とあまり変わらないのは、投資に専門知識が必要ないからではなく、投資のタイミングと心理については、会計帳簿を見ただけではわからないからだ。

ピアノの調律師だからといって演奏がうまいわけではないように、会計士も帳簿によって会社の品質検査をするだけで、事実を確認したからといって株の売買のタイミングが正確にわかるわけではない。

なんと幸いなことか。さもなければ、この世の富はすべて会計士のものになっていただろう。

もちろん、品質検査の結果に他人より早くアクセスできるなら、投資でかなりの利益を上げることができるだろう。だから、上場会社の監査にあたる会計士は、その会社に投資できないよう法律で禁じられているのだ。

人生で「必ず一度やるべき勉強」とは

じつは、これは非常に簡単な問題だ。

あなたがある会社の株を持っているなら、自分がその会社の社長になったと考えてみよう。部下に頼んで今月の財務諸表を持ってきてもらう。自分の会社の状態を理解するには、財務諸表を読み込んで、状況を把握できなくてはならない。1日かけて、じっくり数字に目を通してほしい。そうやって自分が経営者になったつもりで財務諸表を見ていれば、その意味が解釈できるようになる。

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