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エプソン製プロジェクターが狙う新市場の開拓 麻布台ヒルズのアートミュージアムもサポート

東洋経済オンライン / 2024年2月16日 7時30分

日本の若い世代でも家にプロジェクターを持っていることがもはや珍しくはない。「壁に投影すればテレビよりも部屋が広く使える」「大勢での観賞に適しており、推し活で使うと盛り上がる」など評判がよく、今後もますます普及しそうだ。

家で過ごす時間を充実させる動きが強まったコロナ禍を経て、若年層以外からの支持も広がった。エプソンによれば、市場拡大に伴い、高画質なものや短焦点のものなど機能性の高い高価格製品の販売台数が増えている。

エプソンによれば、ホームプロジェクター市場に占める10万円以上の製品の台数構成比は、2021年度には10%にも満たなかった。それが2022年度には20%を超えた。2023年度には30%近くに達するとみられる。

【2024年2月16日16時00分追記】上記の記述を一部修正いたしました。

もう一つの空間演出市場にも変化が見られる。

「飲食店や小売店が、顧客に対し『そこでしかできない体験』を訴求する手段として使うケースが国内でも増えている」。エプソンの国内販社であるエプソン販売でプロジェクターを扱う小宮正志VP(ビジュアルプロダクツ)MD部長はそう話す。

建物などに映像を投影するプロジェクションマッピングは、空間演出の主流として定着しつつある。規模の大きなイベントを中心に採用が増加傾向にある。

コロナ禍の収束後、集客の呼び水としてプロジェクションマッピングが注目される中、今は小規模に展開するものも選ばれるようになっているという。テーブルの上を動物が駆ける、料理に合わせてライトアップが変化する、などプロジェクターの使い方はアイデアと、それを実現するソフトウェアの制作次第だ。

麻布台ヒルズの「エプソン チームラボボーダレス」に併設されているカフェでは、器の中のお茶から咲く花などの作品を楽しむことができる。飲食店におけるプロジェクターの活用事例といえるだろう。

アート向けで意識するのはコントラスト

このような市場の変化に合わせて、エプソンは空間演出向けの高機能プロジェクターを強化している。

明るさや画質にこだわることはもちろんだが、アート向けの需要が増える中で意識するのがコントラストだ。チームラボの猪子寿之代表も「黒いところがしっかりと暗くなる」点をエプソン製プロジェクターの特長として評価している。

ラインナップの充実も急ぐ。設置場所を選ばないコンパクトな筐体サイズのもの、スポットライトのような形のもの、投影距離に合わせてレンズを交換できるものなどさまざまだ。価格帯も性能や形状によって異なり、高いものだと数百万円もする。

市場の変化とともに、プロジェクターは変化している。オフィスや教室のあり方が変わっても、活躍の場はまだまだ増えそうだ。

吉野 月華:東洋経済 記者

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