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「ワクチン不信」接種拒否で流行する感染症の実態 海外赴任前の予防接種、古い日本政府の情報

東洋経済オンライン / 2024年2月16日 11時50分

海外赴任が決まって渡航先の感染症リスクに応じてワクチン接種を受ける人もいるだろう。厚生労働省検疫所FORTHのページでは、渡航先ごとに推奨される接種ワクチンを記載しており、それに基づいて費用を補助するワクチン種を定めている企業が多い。

ただ残念ながら、このサイトの情報はリアルタイムに更新されてはいない。西アフリカに関するページの最終アップデートは2014年9月のため、ジフテリアの流行など最新情報は反映されていない。ジフテリアの流行を考慮すると3種混合ワクチンが推奨されるが、FORTHのページで推奨されているのは破傷風ワクチンだ。よって、私が受診者に3種混合ワクチンを勧めても、会社のルールにより破傷風ワクチンを選択する人がほとんどだ。

対して、CDCのTravelers’ healthのページは情報が随時更新されている。西アフリカ地域におけるジフテリア流行についても情報があり、3種混合ワクチンの追加接種を済ませておくべき、と記載されている。私を含め、専門家の多くはFORTHでなくCDCのサイトを参考にして推奨ワクチンを決めている。

個別の感染症リスクに応じた予防接種を受けよう

ワクチンで防げる感染症に罹ってつらい思いをするのはコスパが悪い。海外赴任先では日本より医療提供体制が脆弱で、綿密な医療が受けられない場合も多い。ワクチンの種類によるが、規定回数を済ませてしまえば数年にわたって防御効果が得られる。

コロナ禍は、感染症にかかった時のリスクが個人ごとに異なることを認識させてくれた。海外渡航者のワクチン接種も、画一的に内容を固定するのでなく、渡航先での感染症流行状況に応じて、個別に必要なワクチンを選択すべきだ。幸い、最近はワクチン種を指定せず、医師と相談のうえで必要なワクチン接種を受けさせる企業が増えている。そのような動きが、多くの企業に広がっていくことを願っている。

久住 英二:内科医・血液専門医

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