北朝鮮の盟友・キューバと韓国が国交樹立したワケ 「塹壕を共有する仲」を破った韓国外交
東洋経済オンライン / 2024年2月18日 8時0分
韓国は2000年からしばしば、キューバに国交正常化を直接求めてきた。それ以来、まずは経済・文化面での交流を深めてきた。2016年には当時の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相がキューバを訪問し、関係改善への大きな一歩を踏み始めた。
ところが文在寅(ムン・ジェイン)政権(2017~2022年)は、親北朝鮮的な政策を行っていたため、北朝鮮に遠慮してそれほど強い働きかけはしなかった。領事関係や通商代表部の設置を働きかけた程度だった。
現在の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権になり、国交再開を強く推進することになった。とくに2023年、朴振(パク・チン)外相がカリブ諸国連合(ACS)閣僚会議に出席したことが、大きな転機になった。ここで韓国とキューバは高官協議まで行ったようだ。
これまで韓国人がキューバを訪れる数も増えてきた。コロナ禍前の2014~2019年の5年間で、韓国人のキューバ訪問者数は5000人から1万5000人にまで増え、交流が深まっていた。キューバ国内にも韓国語を勉強し始める人、ドラマや歌手などの韓流が好きな人など、ファンクラブの会員数は1万を超えているという。
今回、北朝鮮がキューバや韓国に対し妨害工作があったかどうかは表面化していない。ただ、元統一戦線部長の金英哲(キム・ヨンチョル)氏がキューバを訪れた際、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の親書を携え、韓国の動きを警戒するよう伝えたことがある。
(東洋経済・本誌コラムニスト 福田恵介)
ソウル新聞
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