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「40歳超えた人の記憶力は伸びない」が誤解な訳 受験生も社会人も結果を出せない人の記憶術は的外れ

東洋経済オンライン / 2024年2月19日 12時30分

学校の成績が良い子というのは、「記憶力」が良さそうに見えるのですが、実は記憶力以上に「理解力」や「整理・まとめ」の能力が高いのです。試験の成績は「記憶する」の前段階で、既に勝負を決しているともいえます。

ですから、仮に「記憶力」が悪くても、「理解力」や「整理・まとめ」の能力で十分に補完することができます。

「記憶」そのものに時間を使うよりも、事前準備としての「理解」と「整理」にしっかりと時間を使うことで、記憶力が悪い人でも無理なく記憶することができるのです。

記憶力に頼らない

「自分は生まれつき記憶力が悪いから、成績が悪いのはしようがない」

こんなくだらない言い訳を自分にするのはもうやめましょう。この思い込みは二重に間違っています。

まず、記憶力は生まれつきのものではなく、20歳からでも、40歳からでも伸ばすことができます。

さらに、学校の成績、つまり試験に必要な能力は、「記憶力」だけではありません。「頭が良い」とされる学生を詳しく調べると、ほぼ例外なく彼らは集中力が高く、要点をまとめ整理する能力も高く、頭の回転が速いのです。これらは「記憶力」、すなわち「長期記憶」とは直接関係のない能力です。

つまり、「注意・集中力」と「まとめ・整理する能力」を高め、頭の回転を速くすることで、「記憶力」の悪さを十分にカバーすることは可能なのです。

記憶力を高めないで結果として記憶にとどめて試験やテストの成績をもアップさせる。これを私は「記憶力外記憶術」と呼んでいます。

「記憶力外記憶術」を使えば、もともとの記憶力に頼らずに試験の成績を伸ばすという夢のようなことが可能です。というよりもむしろ、実は頭の良い学生ほど記憶力に頼らない「記憶力外記憶術」、とりわけ事前にしっかりテストに対応できるようにしておく「事前準備記憶術」を実践しているのです。

間違った記憶術をやめる

受験生も社会人も、結果を出せていない人は、間違った記憶術、勉強法を実践しています。

例えば、最も間違った勉強法は「徹夜」です。あるいは睡眠時間を削って勉強することです。記憶の定着のためには、「6時間以上の睡眠が必要」と脳科学的に明らかにされています。

したがって試験前に徹夜で勉強しても、試験が終わった途端に、勉強したことは定着せずにほとんど忘れてしまいます。これだと、試験のたびに必死で勉強しても、それが自分の知識として全く積み上がらないのです。

さらに睡眠を削ると、翌日の集中力、作業効率が低下してしまうので、そんな状態で試験を受けると、何日も前から暗記していたことすら思い出せなくなります。

睡眠時間を削って4時間睡眠で勉強するよりも、十分な睡眠をとったほうがはるかに集中力が高まり、記憶力もアップすることは、多くの睡眠研究が示しています。

「徹夜で勉強する」「睡眠時間を削って勉強する」など、脳の活動性を明らかに低下させる間違った勉強法をやめるだけで、記憶効率や脳のパフォーマンス、いうなれば「脳力」を数日でアップさせることが可能です。

普段の勉強習慣や試験直前の時間の使い方を見直し、脳科学を活用した記憶術を実践するだけで、記憶力に頼らずにあなたの脳のパフォーマンスを飛躍的にアップさせることができます。

樺沢 紫苑:精神科医、作家

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