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「老後ひとり暮らし」危険な人が住む部屋の共通点 生前整理・遺品整理の専門家が見る「ポイント」

東洋経済オンライン / 2024年2月19日 6時50分

「もう、私は絶対に着ることはないし、娘も欲しがらないから、いらないの」

林さんはそう言います。

「でもね、いいものもあるから、それは価値のわかる人にあげたいの。それで、よくないものは捨てて身軽になりたい。だって、この先、使うことはないんですもの」

林さんがモノの処分を急ぐのは、自分自身の体が動かなくなってきているのを自覚しているからです。

「重いものが持てなくなってきているし、階段の上がり下がりもゆっくりにしかできなくなっているの。家が広いのも考えものね。ひとり暮らしには広すぎるし、モノが多すぎるわ」

たしかに、着物や食器など、その手のものの価値がわかる人は多くありません。価値のわからない遺族の手に渡ると二束三文で処分されてしまう危険性があります。それなら、自分がしっかりしているうちに、同じ趣味の仲間や弟子などに譲るほうが、その相手にとっても着物や食器にとっても、どれだけ幸せなことかわかりません。

自分で自分の生活を管理することも歳をとるにつれて徐々に難しくなっていくので、死後のことも見据えて、趣味のコレクションなどもだんだん処分していくと、生活のストレスが減っていきます。

もちろん、死ぬまで好きなものにめいっぱい囲まれているのが幸せだ、という人もいます。そうであっても、自己管理ができている人は「自分がいなくなったらこうしてくれ」と段取りをつけています。

老後のひとり暮らしを見据えて

老いは誰にでもやってくるものです。判断力も記憶力も衰えていきます。自分の管理能力の衰えに備えて、決められるうちに決めておける人の部屋は、比較的モノが少なくシンプルな傾向にあると思います。

「おひとりさま」は気楽で自由です。だからこそ本人の性格や生活スタイルが如実に表れます。そしてそれは、老後ひとり暮らしの壁を越えられる人と、見て見ぬ振りをする人との違いにも通じていると思います。

ここまでを読んで、「そういえば自分は何も準備していない」「気にはなっていたけど何もしていない」と、あらためて感じた人もいるでしょう。

一方で、自己管理や人付き合いが苦手なタイプの人は、「面倒だ」とか「いまから自分を変えるなんて無理だ」と感じたかもしれません。

でも、こう考えてみてはどうでしょうか?

「おひとりさま」だからこそ、リスクははっきりしていますし、的は絞れています。

他人にアレコレ言われないからこそ、自分が必要だと思うことだけやっておけばよいのです。

山村 秀炯:GoodService代表

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