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政倫審、安倍派幹部と二階氏の出席で与野党攻防 岸田首相の"圧力"も、当事者反発で調整難航

東洋経済オンライン / 2024年2月19日 14時55分

自民は対象議員の自主的申し出での開催を目指す。しかし、安倍派5人衆らは「拒むものではない」(萩生田光一前政調会長)などと出席拒否はしないものの、明確な条件設定を求めている。また、二階氏の事務所は16日、取材メディアに対し「仮定の質問には回答を控える。法令などにのっとり対応する」と紋切り型の応答に留めた。

さらに、与党側は政倫審の開催時期について、予算案衆院通過を見込む3月初旬後の同月上旬を想定しているが、野党は予算審議を盾にしつつ、衆院通過前の開催を求めているため、週明けからの与野党協議は、「時間との勝負というぎりぎりの攻防」(自民国対)となるのは確実だ。

法的拘束力なく、「議員辞職勧告」はできない政倫審

そもそも、政倫審は衆議院と参議院にそれぞれ設置され、政治倫理の確立のため、議員が「行為規範」その他の法令の規定に著しく違反し、政治的・道義的に責任があると認めるかどうかについて審査し、適当な勧告を行う機関。今回政倫審の開催が決まれば、2009年以来、15年ぶりとなる。

また、現在の衆院政倫審委員は25人で、①その3分の1を超える9人以上の委員からの「申し立て」②疑惑を受けたとする議員本人の「申し出」―のいずれかで審査会が開催される仕組み。ただ、現在25人の委員のうち野党は8人のため、「与党が同調しないと限り開催できない」のが実態だ。

しかも、政倫審は、出席議員の釈明などを踏まえてその議員の登院自粛、国会役職辞任などは勧告できるが、法的拘束力はない。加えて、議員辞職勧告はできない決まり。さらに、「審査会は傍聴を許さない」との規定から非公開が原則で、申し出た議員の要望などがあった場合だけ公開となるなど、様々な縛りがある。

歴史を振り返ると、衆院政倫審は1985年に設置されて以降、開催されたのは9回。このうち、議員本人の「申し出」が8回で、委員の「申し立て」は1回だけ。一方で、参院では、政倫審の開催例はない。

これまでの最後の政倫審開催は2006年2月23日に遡る。政治問題にまで発展した耐震強度偽装事件に関し、当時の伊藤公介・自民党議員の「申し出」を受けての開催だった。この審査会はメディアにも公開され、問題があった不動産業者社長と国土交通省の担当課長を引き合わせた伊藤氏が「政治倫理に反していない」などと弁明した。

「申し立て」開催は鳩山氏欠席で“空振り”に

一方、政倫審の「申し立て」での開催は、2009年7月17日に当時の民主党・鳩山由紀夫代表(その後首相に就任)の資金管理団体の政治資金収支報告書に、死亡者などからの献金が記載されていた問題で決められた。しかし鳩山氏本人が欠席し“空振り”に終わった。

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