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スターバックスが「中国の地方都市」への出店加速 2023年10~12月期の中国売上高は18%増と好調

東洋経済オンライン / 2024年2月21日 16時0分

中国の個人消費の減速が伝えられるなかでも、スターバックスは出店加速のアクセルを緩めない(写真は同社ウェブサイトより)

アメリカの大手コーヒーチェーン、スターバックスの中国事業が成長を続けている。同社が1月31日に発表した2023年10~12月期の決算報告書によれば、同四半期の中国での売上高は7億3500万ドル(約1084億円)と前年同期比18%増加した。

【写真】スターバックスは中国市場の変化に対応した新たな店舗形態もテストしている。写真は北京に出店したスタンド型の小型店舗(同社ウェブサイトより)

スターバックスにとって、中国はアメリカに次ぐ世界第2の市場だ。2023年末時点の中国の店舗数は6975店。そのうち885店は2023年に新規開設したもので、2021~2022年に比べて出店ペースが加速している。

地方都市のほうが高収益

同社中国法人の董事長兼CEO(会長兼最高経営責任者)でアメリカ本社の執行副社長を兼務する王静瑛氏は決算説明会で、スターバックスが中国の地方都市への積極出店を進めていると説明した。

王氏によれば、中国国内の3000カ所を超える「県クラス」以上の都市のうち、2023年末までに進出済みなのはまだ857カ所に過ぎず、出店余地が大きい。(訳注:「県」は中国の地方行政区分の1つ。農村部の地方都市が主体で、日本の県とは位置づけが異なる)

また、過去数年間の実績を比較すると、地方都市の店舗は(コーヒーチェーンが乱立し競争が激しい)大都市の店舗よりも収益性が高かったという。そこで、今後はより多くの地方都市への出店を急ぐ方針だ。

決算報告書によれば、スターバックスの中国の既存店売上高は、2023年10~12月期は前年同期比10%増加した。だが、その主因は販売件数が前年同期比21%増加したことにあり、平均客単価が逆に9%減少したことは注目に値する。

平均客単価の低下について、王氏は決算説明会で2つの要因を挙げた。1つ目は、中国の消費者が(景気の先行き不安などから)財布の紐を締めたため、高価格帯の商品の販売量が減少したこと。2つ目は、同社が販促活動のためにターゲットを絞った値下げを実施したことだ。

「価格競争には加わらない」

スターバックスは1999年に中国に進出して以来、コーヒーチェーン最大手の座を長年維持してきた。しかし近年、瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)に代表される新興チェーンが、アプリによるオンラインオーダー、テイクアウト主体の小型店舗、コストパフォーマンスの高さなどを売り物に急成長し、スターバックスの市場シェアを蚕食している。

だが、スターバックスは新興チェーンとは正面から競わず、高付加価値路線を貫く方針だ。王氏は決算説明会で次のように強調した。

「次から次に現われる競合チェーンは、急速な店舗展開と低価格戦略を成長の原動力にしている。だが、そのようなビジネスは長期的には維持できない。わが社は価格競争には加わらず、高品質(の商品やサービス)にこだわり、利益を伴う持続可能な成長を目指している」

(財新記者:馮奕銘)
※原文の配信は1月31日

財新 Biz&Tech

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