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死んだペットは「ゴミ」?尼崎市の騒動から考える 自治体で異なる対応、専用の動物火葬炉は高額

東洋経済オンライン / 2024年2月23日 12時10分

上の表を見ると、火葬だけの「収骨しない場合」では、冒頭で紹介した尼崎市の利用料金よりかなり高額で、下の表の「収骨する場合」の費用も、「収骨しない場合」の2倍近くがかかります。

動物火葬炉の設備費や維持費、人件費などが必要となり、利用料金はそれに伴い高くなるのが実情で、動物の重量によっても上下します。自治体運営であっても、手厚い供養にはそれなりの費用がかかるということです。

筆者も滋賀県に在住していたときに愛犬のボルゾイが亡くなり、他市民として大津聖苑を利用したことがあります。収骨には入れ物が必要で、大きな骨壺を持参しました。

収骨の際には、担当の職員の方が愛犬の骨をていねいに扱ってくれました。「これが喉仏(のどぼとけ)ですよ」と、骨の説明もしてくれたことが印象に残っています。愛犬は50kg以上あり、他市民の利用料金は4万円でしたが、対応内容などから納得のいく利用料金だと思いました。

亡くなったペットを一般家庭ゴミと一緒の焼却炉で焼かないためには、大津市のように市営火葬場などに動物火葬炉を置く必要がありますが、自治体によりさまざまな問題をクリアしなければならず、一筋縄ではいかないと耳にしたことがあります。

尼崎は飼い主の心情に寄り添っている?

尼崎の話に戻りますが、ペット(犬・猫などの小動物)が亡くなったら、飼い主の自宅などに市の職員が引き取りにいく(1体あたり2700円)か、飼い主が直接クリーンセンターへ持ち込む(1体あたり1300円)かのいずれかの対応をしています。

同市は「ペットが使っていた思い出の品々も一緒に預かるなど、きめ細やかな対応をしていきたい」としていますが、引き取られた後は市のクリーンセンターで一般家庭ゴミと一緒の焼却炉で焼かれることに変わりはなく、「火葬方法は従来通り、そのため遺骨や位牌は返せない」としています。

しかしながら、ぺットを引き取る際の手数料の支払い方法を「ゴミ処理券」の購入ではなく「手数料」として現金で徴収することとし、利用料金を変更することなく、亡くなったペットを飼い主の自宅などに市の職員が引き取りにいくとしたのは、「飼い主の心情に寄り添う」という点において、できる限りの対応をしていると筆者は考えます。

大切なペットの死について考えることは難しいでしょう。ですが、自分の住んでいる自治体がどのような対応をしているのかは、飼い主は事前に知っておく必要があると思います。

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