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広末、沢尻、瀧…芸能人「次々復帰」を読み解くカギ 性加害と薬物・不倫への怒りに温度差が生まれる理由

東洋経済オンライン / 2024年2月24日 11時10分

ちなみに広末さんの復帰が早くなりそうなのは、不倫騒動への関心が以前よりも高くないから。もし広末さんの不倫騒動が社会的な問題として扱われていた2016~2020年ごろに報じられていたら、もう少し復帰までの時間がかかったのではないでしょうか。

優先順位のトップは「命と人権」

次のポイントは、相次ぐ復帰報道に、故・ジャニー喜多川氏、松本人志さん、伊東純也選手、榊英雄さんと昨年から性加害報道が続いていることとの関連性はあるのか。

結論から言えば、復帰の記事が大きく多く報じられていることの関連性はある一方で、復帰そのものに関連性はないでしょう。復帰に向けたスケジューリングや制作サイドからのオファーは一連の性加害騒動よりも前に行われたものであり、関連性は考えづらいところがあります。

ただ、性加害騒動のインパクトは大きく、しかも1年近く続いているため、相対的に不倫や薬物に関する報道への関心度が下がっているのは事実。3社3誌の週刊誌編集者に尋ねてみたところ、「今、不倫の記事はよほど大物で悪質でなければ厳しい」「薬物も人気がある人で降板騒動などがなければ影響力は低い」などの返事が返ってきました。

また、ある週刊誌のデスクは「『セクシー田中さん』の件も含めて、他人の命や人権にかかわる重大事が起きると、そこに関心が集中する」という優先順位をあげていました。いい意味で不倫や薬物の優先順位が下がっているからこそ本人や各作品の制作サイドは、「重大事が起きている今、“復帰”を大きく報じてほしい」という思いがあるはずです。

さらにここまであげてきた「インパクト」「他人の命や人権」の他にもう1つ、世間の関心度を上下する要素は、議論につながるかどうか。

「悪い」と言語道断の不倫や薬物より、真相がわかりづらく臆測を含めた議論につながりやすい性加害のほうが熱を帯びやすく、怒りが募りやすいところがあるものです。実際、性加害も『セクシー田中さん』の騒動も、「一番叩かれるべきは誰か」という観点で議論が白熱し、優先順位をつけて怒りをぶつける人々の声が目立っています。

もともと、生きている時間、さらに、起きている時間、仕事や勉強などに集中しなくてもいい時間が限られている人間は、無意識で向き合うことの優先順位をつけているもの。その中で怒りの感情を抱ける時間も限られているだけに、常に優先順位の高そうな相手を見つけた上でぶつけているのです。現在はテレビやネットなどが連日、性加害や『セクシー田中さん』の騒動を報じていることもあって、不倫や薬物の優先順位は低いのでしょう。

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