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「肝臓に脂肪をためない」お酒のつまみ"神セブン" 飲酒と脂肪肝の「罪深い関係」を専門医が解説

東洋経済オンライン / 2024年2月25日 7時30分

脂肪肝や肝硬変にならない、上手なお酒との付き合い方を医師に聞いてみました(写真:Luce/PIXTA)

働き盛りの世代にとって身近な肝臓の病気である脂肪肝。近年、国民1人当たりのアルコール摂取量は減り続けているにもかかわらず、アルコール性の脂肪肝の人はむしろ増加しているという。

では、脂肪肝や肝硬変にならない、上手なお酒との付き合い方はあるのだろうか。これまで多くの脂肪肝患者を治療してきた長野県佐久市立国保浅間総合病院スマート外来担当医の尾形哲さんに聞いてみた。

飲む人・飲まない人の二極化

昨今は若年男性を中心に習慣的にお酒を飲まない人が増えており、国民1人当たりのアルコール摂取量は減り続けている。それにもかかわらず、アルコール性の脂肪肝の人はむしろ増加している。なぜだろうか。

【写真で見る】これが脂肪肝(顕微鏡写真)。組織内にある白い粒が「脂肪滴」と呼ばれる脂肪の塊

「『お酒を飲まない人はまったく飲まないが、飲む人は大いに飲む』という二極化が進んでいるのでは」と尾形さん。

5年以上にわたって過剰飲酒を続け、脂肪肝や肝炎、肝硬変などを生じた場合に「アルコール性の肝障害」とされる。

過剰飲酒とは、1日のアルコール摂取量が純アルコール量で60gを超えるものを指す。

日本酒なら3合(510mL)、ビールならジョッキ3杯(1500mL)に当たる。尾形さんが診ているスマート外来では、習慣的にこの飲酒量を超えて飲酒をしている人の9割に脂肪肝が見られるという。

酒で肝臓に脂肪がたまるワケ

なぜ、お酒の飲みすぎによって肝臓に脂肪がたまるのか。実は、アルコールに含まれる糖質だけが原因ではないようだ。

「アルコールには、『肝細胞での中性脂肪の合成を促して、肝臓への脂肪の蓄積を加速させる作用』と、『脂肪をエネルギーとして使う機能を低下させる作用』の2つがあります。つまり、お酒を飲むということは、『肝臓の脂肪を増やして、脂肪をエネルギーとして使わせない』という薬を飲んでいるようなものです」(尾形さん)

さらにアルコールの作用として、飲酒後には糖質がほしくなる、というのもある。

酒のつまみに脂質が多くカロリーの高い唐揚げなどの揚げ物を食べ、飲酒後にラーメンなどの高カロリーな糖質を摂るようであれば、脂肪肝リスクはより高まる。

糖質の摂りすぎで脂肪が蓄積した肝臓にアルコールによる悪い作用が加わると、肝障害はより重くなりやすく、肝硬変の入り口でもある「肝臓の線維化」も急速に進みやすい。

肝臓では、蓄積した脂肪の毒性によって肝細胞の炎症や壊死(えし)が生じる。それが修復されたときに生じる“傷跡”のことを線維化という。修復が繰り返されて肝臓内の線維化が進むと、肝硬変になっていく。

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