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部品会社が「キャンピングカー」に参入する真意 サスペンションだけじゃなく車体販売も目論む

東洋経済オンライン / 2024年2月27日 11時50分

カヤバの担当者によれば、「一般的に、従来のキャンピングカーは、操縦安定性や乗り心地に関し、不安や物足りなさを感じるユーザーも多いと聞きます。そうした問題を解消しようとしているのが開発中のサスペンションです。(これを装備することで)普通乗用車と同じように、軽快な走りを味わえるキャンピングカーを作ることを目指しています」という。

確かに、キャビン部に大きな変更を加えたキャンピングカーの場合、家具や家電製品、ベッドなどを備えることもあり、ベース車より車両重量も大きく増加し、走行安定性などは悪くなりがちだ。とくにオリジナルのキャビン部を架装し、全高や全幅などボディサイズを拡張した仕様では、例えば、風が強い日に高速道路を走行すると、横風などで車体が振られるといった声も聞く。

そこで、同社では、自社が持つ技術力を投入した新しいサスペンションを搭載し、車中泊だけでなく、移動中も快適なキャンピングカーの開発を目指しているのだ。では、なぜデュカト専用なのか。それに対し、担当者は、「デュカトをベースとしたオリジナルのキャンピングカーの製造も目指している」ためだという。しかも、新型モデルは2025年度に販売開始を予定。約1年後には市場へリリースするという。

2023年のコンセプトカー

じつは、カヤバは、2023年の東京オートサロンにもトヨタの商用トラック「ダイナ カーゴ」をベースにしたオリジナルのキャンピングカーを出展した実績を持つ。これは、独自の油圧技術を投入することで、停泊時にキャビン部の天井や車両右側を拡張できるトランスフォーム機能を採用したモデルだった。キャンプ場などに停泊する際に室内を広くでき、より快適な車中泊が可能というもので、かなりユニークなアイデアだった。だが、2024年の同ショーには、この仕様は展示すらない。先述の担当者いわく「コストがかかり過ぎるため商品化が難しい」ためだ。

そこで、同社では、近年、多くの注目を集めているデュカトをベースとしたキャンピングカーに着目。しかも、デュカトは、ノーマル仕様でも「もともとボディ剛性などが高いため、ステアリングを切ったときの回頭性が良く、軽快なフットワークを持つ」(担当者談)という。それに、オリジナルのサスペンションを装備することで、「乗用車感覚で乗ることができるキャンピングカー」を作る計画なのだ。

では、新型キャンピングカーには、足まわり以外、例えば、室内外の装備などに、どんな独自性を持たせるのだろう。2023年に展示したデモカーのように、独自の油圧技術を使った車体のトランスフォーム機能を採用すれば、かなり話題になりそうなのだが。

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