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上司も部下も最低限の事しかしない組織の救い方 『7つの習慣』著者コヴィー博士も絶賛の手法

東洋経済オンライン / 2024年2月29日 9時30分

この分担は、経営側が判断し、現場がそれを忠実に実行するという、産業革命期に端を発するやり方だ。この構造そのものを変えない限り、他人に何かを強要する必要に迫られてしまうのが現代の職場なのだ。

この古いやり方は、私たちの身体に染みついている。

これまでの時代には、最適だったのかもしれない。しかし、これからも同じやり方を続けていては、圧倒的なパフォーマンスを実現して不確実な時代を生き抜く、といったことはできない。

ビジネスを取り巻く状況は刻々と変わっていく。

そんななか、上司(判断する人)と部下(実行する人)を分断してしまうと、どちらも主体的に仕事に取り組む機会を奪われてしまう。そして役割に同化して上司への、あるいは部下への配慮をなくし、いずれ最低限のことしかしなくなる。

そんな状況に陥ったチームや組織を救い出すには、どうすればいいのだろうか。特別なことは必要ない。ただ、コミュニケーションの際の言い方を変えればいいのだ。

言い方を変えるとメンバーの行動が変わり、パフォーマンスも大きく改善していく。

本当だろうか、と思う方もいるだろう。

なぜ私がそうだと断言できるかと言えば、私はそれを、米海軍の原子力潜水艦「サンタフェ」の艦長として実現したからだ。

私が艦長になったとき、サンタフェの乗員は、知識の面でも、操作の面でも、士気の面でも、潜水艦部隊の底辺にいた。

その原因はリーダーシップの問題にあると見てとった私は、リーダーが部下に責任を委ねる新しい形のリーダーシップを導入した。

コヴィー博士も絶賛した「委ねるリーダーシップ」

この「委ねるリーダーシップ」を艦内に浸透させると、1年もしないうちに劇的な変化が生じ、サンタフェは素晴らしい働きを見せた。

その噂を聞きつけてサンタフェに乗船することを希望した、『7つの習慣』の著者、コヴィー博士からは、こんな言葉をいただいた。

サンタフェで働く人々の様子を目の当たりにした身として言わせてもらうなら、彼らの働き方は、今日の働き方を多少改良したという程度のものではない。根本から違うと断言できる……権限を付与するリーダーシップは数あるが、マルケ艦長が提唱するもの以上に優れたものを私は知らない。

「言われたとおりにやっただけです」

「判断は私の仕事ではないので」

こんな残念な言葉を自ら発したこと、あるいは部下に言わせてしまったことはないだろうか。こうした言い方がなされる原因は、前述のように決定者と実行者の役割を分断してしまったことにある。

そうなると上司の仕事は、自らが決めたことを部下にやらせたり、従わせたりすることとなる。

自分が決めたわけでもないことをするよう指示された部下は、考えることをやめ、このような言葉を発しがちになるというわけだ。

しかしこれからは、誰もが思考と行動の両方を担うことが求められる。思考と行動の適切なバランスをとることが必要となるのだ。

リーダーとしてのあなたの言葉遣いは、チームの心理的安全性やパフォーマンスに、大きな影響を与える。

もしあなたが、産業革命期の古いやり方から抜け出し、新しいやり方と言葉遣いを身につければ、チームの成果も、メンバーの幸福度も、ひいてはあなた自身の充実感も、大きく改善されるだろう。

L デビッド マルケ:米海軍攻撃型原子力潜水艦「サンタフェ」元艦長

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