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消えた「タピオカ屋」でしっかり儲けた人の思考 ブームに乗じた「コトづくり」で短期収益化

東洋経済オンライン / 2024年2月29日 14時0分

また、トレンドに移行することができず、一過性のブームで終わってしまうかもしれない可能性を考えて、いつでも撤退できるようにしておくことがリスク対策となります。現在はインターネットやSNSが発達したことで大量の情報を得ることができるようになり、消費者のニーズも多様化しているため、一つの製品に対する飽きが早くなっています。すなわち、プロダクトライフサイクルが短期化しているといえます。こうした消費者心理の変化に機動的に対応できるようにする必要もあるのです。

そのためには、小資金、省スペースで開店(開業)するなど、開業にかかるコスト(イニシャルコスト)を可能な限り安く抑えることがポイントです。将来の見通しが立っていない状況で大規模な投資を行ってしまうと、想定外の事態が発生した際の対応が困難になってしまいます。ブームが長続きするようなら追加投資をし、冷めつつあると感じたら次の事業機会を探す、といった柔軟性と俊敏性を持っておくことで、時代の変化に乗ることができるのです。

イニシャルコストを抑えた短期回収型のビジネスだった

さて、一時期は街中にあふれていたタピオカ屋ですが、今も残っているのはGong chaやBull Puluなど一部のチェーンだけです。タピオカブームが去ってしまった背景には、2020年からコロナウイルスが流行したことのほかにも、タピオカ店が急増したことでタピオカの「物珍しさ」という価値が陳腐化したことや、SNSによって流行り廃りが可視化されたことで流行の飽和が加速したことなどが考えられます。

では消えたタピオカ屋がどこに行ってしまったのかというと、ある店は唐揚げ店になり、ある店はマリトッツォの店に変わり、ある店は焼き芋の店になりました。こういった店に共通しているのは、小型の店舗を構えることでイニシャルコストを抑え、かつ迅速な撤退ができるようにしていることです。

イニシャルコストを徹底的に抑えることにより短期で利益を回収し、ブームが去ったらすぐに見切りを付けて撤退する。この変わり身の早さを活かして、消えたタピオカ屋は次のブームに乗り換え、新たな収益を生み出しているのです。

あなたの身の回りで、最近やたら目にする商品はないですか? 友人や家族が口をそろえて話しているサービスはないですか? そうした社会的な変化をいち早く察知し、飛び乗ることが、ビジネスの成功における第一歩になるかもしれません。

菅原 由一:税理士

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