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「転職に成功する人」は知っている3大不安解消法 新たなチャレンジを阻む3つの壁を乗り越える

東洋経済オンライン / 2024年2月29日 9時0分

キャリアアップを阻む「3つの壁」とは(写真:metamorworks/PIXTA)

キャリアアップを目指して、転職、副業、部署異動を考えている人が増えているようです。

一方で、「もういい歳だから若い頃のように新しいことは覚えられない」「失敗したらどうしよう……」「このままでいいんじゃない?」という不安に苛まれて、なかなか実行に移せない。そんなビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。

3万人以上に学び方を教え続けてきた、大人の学びのプロである清水久三子氏によれば、キャリアアップに成功した人たちは、このような不安を自分でコントロールして活躍していることが多いそうです。

本記事では、不安をコントロールしてキャリアアップを成功させる方法を、新刊『リスキリング大全』より、本文を一部抜粋・再編集のうえお伝えいたします。

キャリアアップを阻む3つの壁とは?

キャリアアップができる人とできない人の違いは、新しい仕事にチャレンジしたいという気持ちを実行に移せるかどうかです。

【写真】稼ぐ力が加速する『リスキリング大全』

自分を今の状態にとどまらせている壁をメンタルブロックといいます。メンタルブロックは、人が何か行動を起こそうと思った際に、自分には無理なのではないか、人から批判されるのではないか、などと思う否定的な思考のことです。また、その結果として行動が抑制されてしまいます。

キャリアアップのためには、このメンタルブロックの解除が不可欠です。

本稿では、新たな仕事に向けてのメンタルブロックの解除方法を見ていきましょう。まずは、新しいことに取り組むことを阻む3種類の壁=メンタルブロックを紹介します。

①思い込みの壁

思い込みの壁とは自分の可能性を限定したり、根拠は特にない決めつけなど、自分の心にブレーキをかけてしまう以下のような考え方です。

可能性の否定:

  「〇〇の領域は自分には向いていない」

年齢バイアス: 

  「もういい歳だから若い頃のように新しいことは覚えられない」

変化の拒否: 

  「仕事をころころ変えるなんてよくない」

②恐怖心の壁

恐怖心の壁とは、よく分からないことからくる不安や、見栄やプライドなどから、失敗を必要以上に回避しようとしたり、人からの評価を気にしすぎて、新しいことを恐怖に感じてしまう以下のような考え方です。

未知なるものへの不安:

  「失敗したらどうしよう……」

見栄からくる恐怖心:

  「できない人だと思われたくない」

③環境の壁

環境の壁とは、今所属している組織や、家族・友人などからの同調圧力や反対に由来した、ブレーキとなる意見や考え方です。

同調圧力:

  「このままでいいんじゃない?」

家族の反対:

  「会社を辞めるなんて世間体が悪い。収入が減るなんて困る」

メンタルブロックは意図的に解除できる

このようなメンタルブロックに、皆さんも身に覚えがあるのではないでしょうか。社会や世間の常識、家族・友人の意見などから、様々なバイアスを受けてしまうこともあります。そうしたことから転職や副業など、新たな仕事にチャレンジすることについて、最初の一歩が踏み出せない人もいるようです。

ただ、実際に成果をあげている人もいます。成功者は、このようなメンタルブロックを意図的に解除しているのです。

では、どうやってメンタルブロックを解除したらよいのでしょうか。

自分が「こうだ」と思っている思い込みに対して、逆の事例をできるだけたくさん探すことが効果的です。

例えば「年取ってからは新しいことは無理」と思っているのであれば、高齢で新しいことにチャレンジして成功している人をたくさん調べてみましょう。

そういう人が見つかるにつけ、「あ、なんだ。そんなにたくさんできる人がいるんだ」「え、あの人もできているの?」とブロックが解除されていきます。世の中に「絶対」はないのです。

自分の知っている範囲にないから「絶対無理」だと自分を信じ込ませてしまうのです。そうではない事例を見ることによって「あ、これもありなんだ」「自分でもできるかも」と認知が変わっていきます。

メディアに取り上げられている人でもいいですが、できれば近い存在が見つかると、ブロックを解除しやすくなります。もし見つかったら話を聞きに行くと、たやすくメンタルブロックを解除できる場合もあります。

スキルの価値が目減りする可能性を考える

恐怖心の場合は、今自分が持っているもの、例えば、ポジション、収入、評価、人間関係などを手放すことへの恐れが根底にあります。既にある程度成功している人だと、その成功体験に縛られてしまったり、今の地位や名誉などに執着して手放すことをためらってしまいます。

思い込みの壁と同様に、チャレンジして成功した事例を知ることで、ブロックが解除されることもあります。

それでもためらう場合には、今自分が持っているものは、一体いつまでその価値を失わずに存在し続けるのかを考えてみましょう。

あと何年その価値は目減りせずにあり続けるのかを考えると、現状維持の方がもしかすると恐怖かもしれないという考えに変わっていきます。

また、この恐怖心は「隣の芝生は青く見える」の逆で 「知らない仕事は怖く見える」 という状態から来ています。既にその仕事をしている人に接したり、見学させてもらったり、コミュニティに参加したりすることで、少しずつ慣れていくことにより不安を払拭していきましょう。

職場の同僚や友人などからの同調圧力からは、距離を置くのが一番です。「人間は、いつも周りにいる5人の平均をとったような人になる」 というのはアメリカの起業家であり自己啓発を手掛けるジム・ローン氏の名言です。実際にアメリカの研究で、年収においてはこれが証明されています。

つまり付き合う人が変われば、それまでの周囲からの影響で築かれていたブロックが解除されるということになります。キャリアアップを成功させたいのであれば、自分から能動的に付き合う人を選んでいくべきでしょう。

転職業界では、転職や起業などをしようとして家族の反対にあうことを「嫁(もしくは夫)ブロック」と呼びます。同じ会社内での異動でも、多忙な部署や職種への転身となるとブロックが発動することもあります。これは家族も思い込みや恐怖心の壁を持っているということです。

ブロックを受けると、反対するパートナーのことを「理解が足りない、邪魔をしてくる人」と思いがちですが、実は自分に問題がある場合も少なくありません。事前に相談もなく、いきなり「こうするから」と言われたら、誰でも「ちょっと待って」と言いたくなるものです。

論破ではなく相手からの共感を得る

まずは報告ではなく、相談のスタンスを取りましょう。その際に話し合うことは、例えば以下のようなものです。

●なぜ新しい仕事に変わるのか

●なぜこのタイミングなのか

●家族の生活はどのように変化するのか

●家族が得られるメリットは何か

●家族にとってのデメリットと対応策

これらをいきなりプレゼンスタイルで相手にぶつけ、論破しようとするのはおすすめしません。その場では説得されて納得した気になるかもしれません。しかし、そのあとよくない事態になった際に「やっぱり私は反対だったのに……」と非協力的な態度を取られる可能性が高いからです。

あくまでも相手の不安や懸念点を丁寧に聞き出したうえで、「じゃあ、どうしようか?」と一緒に決めるというスタンスを取ったほうがよいでしょう。パートナーのブロックは、リスクヘッジにもなります。目指すべきは論破ではなく、相手からの共感を得ることです。

メンタルブロックには強弱があり、1つだけではなく、複数が絡み合っている場合もあります。それほど葛藤せずにするっと解除できる人もいれば、なかなか解除できない人もいます。まずは自分がどんなメンタルブロックを持っているのかを棚卸しして、それを乗り越える方法を洗い出し、実行してみましょう。

清水 久三子:アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント

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