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今年、京大も阪大も「ねじれの位置」出題で衝撃の訳 多くの受験生はノーマーク、SNS上で大盛り上がり

東洋経済オンライン / 2024年2月29日 10時30分

京都大学(左)と大阪大学(左写真:りえ/PIXTA、右写真: けいわい/PIXTA)

数学を使った世の中の仕組みを知ることで、物事を見る視野が広がります。今回は中学数学で学ぶ「ねじれの位置」について、現役東大生の永田耕作さんが解説します。

「ねじれの位置」は中学1年生の数学で学ぶ

2月25~26日に国公立大学の2次試験の前期日程が行われました。そこで話題になった数学の問題がありました。京都大学、大阪大学で「ねじれの位置」に関する問題が出されたのです。とくに大阪大学では、ねじれの位置のそのものの定義、あり方を問うような問題となっていました。

【図で見る】この直方体のどこが「ねじれの位置」かわかりますか?

「ねじれの位置」は、中学1年生の数学で学習する単元になります。そのため、問題のレベルとしてはそこまで高くありません。

が、多くの受験生は高校で使用した教科書や参考書を用いて受験対策を行います。だからこそ、多くの受験生にとってノーマークであり、「定義を忘れた」「なんとなくわかるけど証明ができない」と問題の難しさを嘆く声が相次いで挙がりました。

この「ねじれの位置」、実は世の中にあふれているのです。まず、ねじれの位置の定義を確認しましょう。一言で説明すると「平行でもなく、交わってもいない2つの直線の位置関係」です。といっても、言葉ではあまりピンとこないと思うので、直方体を使って考えてみましょう。

※外部配信先では図を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

まず辺ABと「平行」な辺を考えてみると、辺DC、そして辺EFが見つかります。少しわかりにくいかもしれませんが、辺HGも該当します。このように、辺ABと平行な辺は、辺DC、辺EF、辺HGの3つになります。

次に辺ABと「交わる」辺はどうなるか考えてみましょう。これは非常にシンプルで、点Aで交わっているものが辺AEと辺AD、そして点Bで交わっているものが辺BCと辺BFであることが図からわかります。よって、辺ABと交わる辺は辺AE、辺AD、辺BC、辺BFの4つになります。

このどちらにも登場しなかった辺がありますよね。例えば、辺DHを見てみましょう。この辺は辺ABと平行でなく、交わってもいません。このような辺のことを、「ねじれの位置」と言うのです。他にも、辺CG、辺FG、辺EHも辺ABとねじれの位置の関係になります。

これで直方体にある12個の辺すべてが登場しました。ここからわかるとおり、2つの直線の関係は、「平行」「交わる」「ねじれの位置」の3種類しかないのです。

ねじれの位置は2次元には存在しない

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