「スニーカーブーム」終焉もデニムは今も高い理由 価格は、投資的な様々な要素から形成される
東洋経済オンライン / 2024年3月3日 15時0分
「ロレックス」も同様に適切にメンテナンスをおこなっている限り価値を減じるものではなく、後の時代にヴィンテージとして価値を高める可能性も残っています。
つまり、ヴィンテージデニムや「ロレックス」は売ると損する状況ならば相場が回復するまで株のようにいくらでも塩漬けすることが可能なのです。
一方でスニーカーの場合はそうはいきません。EVA素材のクッションソールは言うまでもなくカップソールのモデルでもいつか加水分解してバラバラになってしまうため、実際に履けるだけのコンディションを10年以上保ち続けるのは至難の業です。
最近は加水分解した古いスニーカーをコレクタブルなものとして売買する流れもないわけではありませんが、あくまでフェティッシュなマニアの間だけの話。デザイナーが端切れから生地の組成を解析するために買い求めるヴィンテージデニムと違って、資料としての利用価値はありません。
スニーカーは加水分解する前に手放さないと価値がなくなってしまう。そのため、ヴィンテージデニムのように現存する個体がなくなるまで保管し続ける、という戦略も取りづらいうえ、ヴィンテージデニムや時計よりも圧倒的に保管スペースが必要になるため、そのコストもかかってきます。言い換えると、スニーカーは短期で売り買いすることに向いている(というよりも、そうするしかない)投機的なアイテムと言えるでしょう。
マネタイズの期間が短くなればなるほど、つまり投機の側面が強くなるほど相場は市場のムードを大きく反映するようになります。スニーカーバブルが一気に弾けたのは投機的側面が強くなりすぎたがゆえに、それまで熱狂していたスニーカーファンや転売ヤーたちが「そろそろブームが終わるんじゃないか」と疑念をいだいた瞬間に、潮が引くように市場から一斉に撤退して争奪戦に参加しなくなったことが原因です。
明るい未来のためにスニーカーメーカーが取るべき戦略
国連貿易開発会議から世界で2番目に環境を汚染している産業と名指しされているアパレル産業。多くのブランドがシーズンごとに新作を発表し、毎年のように変わるトレンドによってまだ着られる服ですら時代遅れとして廃棄される道を辿っているのが根本的な原因です。一説にはいま世の中にある服だけでもこの先全人類に10年間行き渡る、とも言われています。
もちろん、多くの企業がエコやサステナビリティの観点から取り組みをおこなっています。しかし、いくらエコレザーや環境に優しい製法を取り入れたところで、毎シーズンのコレクションやトレンド作りで需要を喚起し、まだ使うことができるアイテムを捨てさせることで過剰生産を続ける限り、環境に配慮した製造をおこなっても焼け石に水です。
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