「日経平均4万円は高くない」と言える複数の根拠 「中国不動産バブル崩壊」の日本株への影響は?
東洋経済オンライン / 2024年3月3日 9時30分
日経平均株価が連日のように史上最高値を更新している。PER(株価収益率)など指標で見ると割高感も目立ち、短期的には調整がいつあっても不思議ではなくなりつつある。
今後は4月にかけて、アメリカの中央銀行であるFEDの利下げ観測が後退することによって、同国の長期金利上昇・米国株下落の展開となり、それに日本株が巻き込まれることが懸念される。
日本株は「もし下落でも4~6月再上昇」の可能性が高い
だが、もしそのような事態に直面しても、4月下旬から5月の決算発表シーズンに入れば再び株価上昇が期待される。ここで思い出したいのは過去2年とも、4~6月にかけて日本株の強さが目立ったことだ。
まず、2022年春については、日本株の指数水準はおおむね横ばいで、一見すると強く見えない。しかしながら、同時期に米国株が急落していたことを踏まえれば、その相対的な強さは目を見張るものがあった(2022年のS&P500種指数は年初の4796ポイントから同年10月12日の3577ポイントまで下落し、年間では22%の下落となった)。
また2023年はPBR(株価純資産倍率)1倍割れの解消が焦点となるなか、4月下旬以降の決算発表を契機に一段の株高が進んだ。仮に今年も去年と同じ現象が再現されるなら、日経平均株価のさらなる上昇が期待できる。
さらに、過去2年、5月に日本株が強かった一因として、自己株買いがある。2005年以降の自己株買い枠が設定された件数・金額を月別に集計し季節性を確認すると、5月の多さが際立つ。ここからは3月期決算企業が本決算で株主還元策(自己株買い・増配)を発表する慣行がうかがえる。
金額でみればまさに5月は圧倒的だ。特に2022年と2023年は3兆円を超える自己株買いが発表された(その他では2、8、11月が多い)。現在の企業業績を踏まえると、今年も高水準の自己株買い発表が期待でき、仮に5月単月で3兆円を上回る自己株買いが発表されるならば、それは投資家の要求を満たす可能性が高い。
また今年ならではの話題として、5月に名目GDP600兆円達成が明らかになる可能性に期待したい。2023年10~12月期での達成はお預けとなったが、5月に発表されるGDP統計では、名目GDPの600兆円達成が明らかになる可能性がある。名目GDPと1株当たり利益が長期的に連動性を有することを踏まえれば、投資家が名目GDP成長率を前提に、中長期的なEPS(予想1株当たり利益)成長率に自信を深めると予想される。
この記事に関連するニュース
-
相場展望6月24日号 米国株: エヌビディア株価反落は、AI相場の過熱感によるものか? 日本株: ボックス相場から抜け出しが近いと予想
財経新聞 / 2024年6月24日 11時15分
-
相場展望6月20日号 米国株: NYダウが、ナスダックやS&P500種などの株価指数に一人負け 日本株: 海外投資家が売り転換、証券(自己)も追随
財経新聞 / 2024年6月20日 11時35分
-
「それでも日本株は上昇する」と言える2つの根拠 景気はよくないのに株価が高いのはおかしい?
東洋経済オンライン / 2024年6月5日 9時0分
-
日経平均5万円、5年以内に達成と予想する理由(窪田真之)
トウシル / 2024年6月4日 7時0分
-
相場展望5月30日号 米国株: 金利低下期待が後退し、米国株は軟調に転換か 日本株: 金利高と米国株安が、日本株に逆風を強める方向にある
財経新聞 / 2024年5月30日 11時19分
ランキング
-
1新NISAで人気の「NTT株」が5月から急落した深層 個人株主は急増も、海外投資家と思惑のズレ?
東洋経済オンライン / 2024年6月26日 8時10分
-
2「ポテポテハッシュポテハッシュ」の癖になるリズム マクドナルド公式X、朝マックのアピール動画話題に
J-CASTニュース / 2024年6月25日 19時48分
-
3テスラ、新型EVリコール 1万台超、不具合相次ぐ
共同通信 / 2024年6月26日 7時12分
-
4青森のサクランボ農園で実が割れる被害、佐藤錦は1〜3割が裂果…9園が一般客の受け入れ断念
読売新聞 / 2024年6月25日 23時0分
-
5「鹿児島県産」を「兵庫県産神戸牛」表示で販売…卸売業者に是正指示 「ホルスタイン種」を「和牛」にも 誤った個体識別番号表示で農水省近畿農政局も勧告
MBSニュース / 2024年6月25日 19時20分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)