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JR東日本「水素電車」2030年度導入へ残る課題 安全面は問題ないが、営業仕様や運行区間は?

東洋経済オンライン / 2024年3月4日 6時30分

どんな路線で営業運転?

気になるのは、水素ハイブリッド電車が営業走行する場合、どの区間を走るのかということだ。藤井ユニットリーダーはこの問いに対し「発言は控える」としているので、推測をしてみる。

まず、このまま鶴見線や南武線に導入する可能性についてだが、どちらも電化区間である。電車もCO2排出とは無縁ではないので電化区間に導入してCO2排出を完全にゼロにするという考え方もあるが、そうするとすでに張られている架線の維持コストと二重投資になる。また、電化区間におけるCO2削減手段としては再生可能エネルギーに由来するCO2フリー電気を活用するなどの方法もあるので、電化区間にあえて導入するメリットは乏しい。

最優先されるのはディーゼル列車が走る非電化区間だろう。距離が短い区間は蓄電池電車で対応可能だとしたら、営業距離が30km以上の非電化区間ということになる。

また、高いコストをかけて開発しているので、存続が危ぶまれるような閑散線区に導入されるということも考えにくい。ある程度の利用者が見込める区間に導入されるのではないか。

ただ、「それだけで決まるものでもなく、さまざまな要因がかかわってくる」と、JR東日本の担当者が言う。車両同様に重要なのが、水素の供給手段をどうするかだ。今回の実証実験ではトラックに搭載した移動式水素ステーションを用いているが、営業運転では恒久的に設置することになる。

国は水素燃料電池自動車の普及に向けた水素ステーションの最適配置に向けた検討を行っている。JR西日本は水素燃料電池列車の開発と合わせ、駅に水素ステーションを設置して鉄道だけでなくトラックやバスにも水素を供給することを検討している。鉄道と自動車用の水素ステーションが共存できればコスト的にもメリットは大きい。JR東日本はこうした動きもにらみながら導入区間を決めていくはずだ。

大坂 直樹:東洋経済 記者

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