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コロナ後の立ち飲み屋に「若い女性」が増えた理由 イマドキの女性&若者の心理を突いた戦略

東洋経済オンライン / 2024年3月5日 19時0分

すなわち、娯楽や消費活動の選択肢が多様に存在している現代においては、すべての人に平等に与えられている「時間」の価値が高まっているといえるでしょう。

その点から見ると、立ち飲み屋はタイパに優れているといえます。まず、注文してすぐにドリンクとフードが出てきます。予約する必要もなく、入りたいときにフラッと入ることができます。滞在時間も1〜2時間ほどで、短時間で飲み、楽しむことができるのです。「サクッと飲んで帰りたい」という人たちの心の隙間を埋めていることがわかりますね。

1人で気軽に入れることも、立ち飲み屋のメリットといえるでしょう。賑やかな居酒屋や高級そうなバーに1人で入るのは気が引けるという人でも、程よい喧騒の中で飲みたいと思うことはあるのではないでしょうか。立ち飲み屋ではフラッと立ち寄ってサクッと飲めるため、そうした1人のお客さんでも気兼ねなく飲みに行くことができます。

また、短時間で飲めるため飲み相手を誘いやすくなります。長時間拘束されることへの懸念から飲みニケーションを避けがちな若い人たちも、「1時間くらいなら行ってみよう」と思うでしょう。

立ち飲み屋に女性が多い意外な理由

立ち飲み屋に女性が多いのも誘いやすいためです。元来、立ち飲み屋は、女性にとって入りづらい場所の代表でした。しかし、立ち飲み屋を見ると女性もいますし、女性が来店しやすい店づくりを意識して、ワインや洋酒を提供する欧風スタイルのバルのような立ち飲み屋なども増えています。

女性が入りやすいという点でもう1つ重要なのは、店内の様子が外から見えることです。どんなお客さんがいて、どんな店員がいて、どんな内装なのかが外から確認できることで、女性は安心して店に入ることができるのです。

ちなみに、このアプローチは定食チェーンの大戸屋と逆です。大戸屋は地下や2階に店舗があることが多く、店内の様子が見えづらいのが特徴です。女性は1人で入っていくところや1人で食べている様子を見られたり、料理をしない人だと思われたりすることを嫌がる傾向があります。そういう不安を、外から見えない店づくりによって解消しているわけです。

立ち飲み店は中を見せて、定食店は中を見せないという点でアプローチは違いますが、女性が快適に利用できるようにするにはどうするかという点で目の付け所は同じです。どちらの場合でも女性のニーズをとらえ、隙間を埋めるための工夫が凝らされています。

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