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算数の点数が伸び悩む子どもによくある落とし穴 クイズに挑戦、ヒラメキが算数の思考力を強化

東洋経済オンライン / 2024年3月5日 8時30分

文章のなかに出てくる数字を使って、+、-、×、÷の記号をパズルのように組み合わせたら解けるだろう、という考え方です。

こういった考え方をしている場合、間違った問題をもう一度やり直したときにも、例えば「だったら、割る数と割られる数を逆にすればいいのだろうか」というように、なぜそうなのかを考えずに、式のなかの数字の場所をただ機械的に入れ替えて試したりします。

問題なのは、小学校の特に低学年のうちは、この「数字を拾って入れ替え戦法」が案外通用してしまうことなのです。各単元の終わりにやるまとめテストは複雑な応用問題が出題されるわけではないので、数字を拾うだけで式が作れてしまいます。

すると、

数字を拾ってとりあえず割り算の式を立ててみた



テストが返ってきたら×だった

よくわからないけど、次は割る数と割られる数を逆にして答えを書いてみた

今度は〇になったのでテスト直しはOK

どうしてそうなるのか理解しないまま授業が進む

といった流れが起こりがちになります。親も子どもが高学年になって初めて「あれ?うちの子、もしかして理解できていないのかも?」と気が付いたりします。

数字に飛びつくクセはどうやったら直せる?

今回のビルの階段問題のように、出てくる数字を拾うだけでは解けない問題は「思考力」が問われています。文章問題で問われている内容をきちんと落とし込むためには、同じ状況を頭の中にイメージできる力が必要です。

つまり、自分をビルの1階に置いて、階段を使って2階、3階と登ってみることを想像する。紙上の数字を拾うのではなく、ちゃんと思考するというのはそういうことで、自分が2階、3階と移動してみることで「2フロア分移動したんだ」と気付けるのです。

もし、お子さんがまさに数字に飛びつくタイプであれば、「日常の体験と結び付けて想像する」ことをアドバイスするといいでしょう。

今回の問題では、例えば小学生であれば「校舎の1階から、3階の音楽室へ移動するときを思い出してみて」とヒントを出します。体験と結びつくことで、なぜ登場しない2という数字で割るのかを理解できます。

小さい頃から遊びや生活のなかでさまざまな体験をさせることは、算数をイメージするための引き出しをたくさん作っておくことにつながります。「あのときのあれか!」というヒラメキが算数の思考力を強化するのです。

日常生活の会話の中に算数を取り入れる方法も有効です。料理をしながら「2人分のレシピだけど我が家は3人家族だから、どうすればいいかな?」とか、お出掛けをしながら「家から公園まで300mだったね、歩いて5分で着いたから、速さは?」など、体験と算数を結び付ける会話を楽しみながら取り入れるようにすると思考力向上につながります。

日常のコミュニケーションで楽しく算数力を高めよう

今回はビルの階段問題を例題に、見える数字に飛びつくことの落とし穴について考えました。

「このクイズがおもしろい!」と思っていただけたら、ぜひご家庭で子どもたちにも出題してみてください。こういった問題は、中学受験対策などとして無理やり勉強させても、なかなか楽しい気持ちで取り組めないものです。

親子のコミュニケーションの一環として、お互いに算数クイズを出し合うなど、日ごろから遊びと生活のなかに算数を溶け込ませる工夫をしましょう。算数が本当の意味で得意になるためには、ただ計算をスラスラ速く解けるようにすればいいというわけではありません。

普段の生活や遊びのなかで楽しみながら、算数を使う体験をたくさんさせてあげてください。

今木 智隆:RISU Japan代表取締役

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