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現場の士気をぶっ壊す「残念な経営者の失言」3選 「働き方改革」ではなく、「働かせ方改革」である

東洋経済オンライン / 2024年3月6日 9時0分

「それを言っちゃあ、おしまいよ」という言葉が、日々経営陣から発せられています(画像:maroke/PIXTA)

「電通の労働環境改革を、最優先事項として全力でやる。小柳、きみも手伝ってほしい」

2016年10月、後に電通の社長になる常務から呼び出され、時短の「特命」を受けた小柳はじめ氏。2年間という限られた時間の中で、パフォーマンスを落とすことなく法定外労働時間を60%削減できたのは、なぜだったのか。

その全手法を「8つの鉄則」にまとめた書籍『鬼時短――電通で「残業60%減、成果はアップ」を実現した8鉄則』が上梓され、発売即重版が決定するなど、いま話題となっている。

そこで本記事では、本書の一部を抜粋・再編集して、現場の士気を下げ、改革をストップさせる「残念な経営者の失言」3選をご紹介する。

社長が言ってはいけないNGワード「現場で考えろ」

私はこれまで、多くの企業の「時短改革」に取り組んできました。

【画像】これがせっかくの社内のムードをぶち壊してしまう「残念な経営者の失言」だ

最初の機会は、30年以上勤務した電通で、4年間グループ会社に出向したときです。そこで利益率を向上させつつ、残業時間を大幅に短縮するという経験をしました。

その後、電通本社に帰任し、労働環境改革プロジェクトに参加。2年間で残業時間が半分以下に激減していくのを目のあたりにしました。

4年前に独立してからは、コンサルタントとして企業に「時短から始める企業改革」のアドバイスをしています。

その経験では、改革が停滞する会社では、社長が「それを言っちゃあ、おしまいよ」という言葉を発してしまったばかりに、せっかくの社内のムードがぶち壊しになってしまうケースが少なくありませんでした。

そのNGワードとは、次の3つです。

①「現場で考えろ」
②「うまくやれ」
③「それをどうにかするのがきみたちの仕事だろう」

いずれも平時には「管理職」たちによって愛用されている言葉です。しかし改革の際には、これらの言葉は現場のやる気を削ぎ、改革をストップさせる効果しかありません。

社員は経営者の言葉を冷ややかに見ている

社員は、経営者がときどきぶち上げる華々しい改革宣言を冷ややかに見ています。

DX、ESG(日本では「SDGs」)、パーパス、デザイン経営……などなど、そのときおりおりのテーマが、入れ代わり立ち代わり現れます。

それらの経営テーマに罪はありません。問題は、経営者が、それらの実相と真の影響を理解したうえで口にしているとは「誰からも」思われていない、ということです。

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