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危機管理のプロが教える「ネット炎上」時の対処法 炎上を逆手に好感度を上げる3つのアクション

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 11時0分

また、収集した事実の確認は、手分けして早急に行います。「トラブルを周りに知られたくない」とか、「できるだけ内密に」と考えて、限られた人数の中で処理していると時間がかかります。トラブルはいずれ、社内には公開しなくてはならないことですから、社員が一丸となって作業を進めていくことです。

2.初動が命。外部に対して迅速な対応を

冷静に事実関係を押さえたうえで、対応には迅速であることが求められます。ぼやぼやしていると、炎上内容は瞬く間に拡散されていくからです。

状況を把握した結果、画像であれ文章であれ、「権利侵害」など、明らかにこちらに落ち度やミスがあった場合は、まず関係者や被害者に対してできるだけ早く誠実な謝罪を行います。こちらに落ち度がなく、一方的な悪意のコメントから炎上するなどの被害者であるケースもあります。こういう場合は、起きた事実に対してのコメントを出します。

もっとも手っ取り早く効果的なのは、全SNSや自社ホームページで、発生した事実内容と謝罪などを丁寧に書いたホールディングコメント(状況がよくわからない中での、とりあえずのコメント)を公開することです。

これは、発生発覚から、できるだけ早く公開する必要があります。未確認事項があれば、「ただいま確認中です。わかり次第、改めてご報告いたします」というコメントを添えて、何度アップしてもかまいません。

最も悪いケースは、事実の全容がわかるまで「何もしない」ことです。この何もしない間に、事態がさらに悪化するということを肝に銘じて、初動に全力を尽くしましょう。

弁護士にすぐに動いてもらうことは難しい

3.危機管理や法律の専門家の意見を聞く

トラブルによる影響が深刻化する可能性があると判断される場合は、弁護士など法律の専門家の意見を求めることも検討する必要があります。内容によっては訴訟に発展することもあり得ますから、素人判断だけでは炎上が収まらない恐れがあります。

大手企業なら顧問弁護士がいらっしゃいますが、中小企業や自治体などは、費用がかかるからと日頃から法的チェックや検討を怠っているケースが少なくありません。すると、いざというとき、すぐに相談に乗っていただくことが難しく、深刻な問題にもかかわらず、弁護士探しから始めるなど、時間を要してしまいがちです。自治体も、顧問契約をしている弁護士に依頼する手続きに何日もかかってしまいます。

私も自治体の広報課長だったとき、大事件なのにこの手続きに時間がかかってしまったという苦い思い出があります。そのときは、私が日頃から懇意にしている弁護士の先生に連絡し、手続きを踏まえず随意契約を上司の許可のもとで進めました。

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