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「寿命を延ばしたい人」にザクロがいい科学的根拠 1日1杯ザクロジュースを飲むことで健康効果

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 17時0分

ザクロの有効成分は加熱に強いので、濃縮還元製法のジュースでも成分は変性することなく有効に摂取することができます。

ザクロのほかに効果があるものは?

エラグ酸に次いでご紹介したいのがルテオリンです。ルテオリンは、フラボンとよばれる化学構造の成分ですが、他のフラボノイドと同じように、黄色の結晶状の成分です。天然成分としてルテオリンは、シクンシ科のミロバランに多く含まれています。ミロバランはあまりなじみのない名前ですが、インドからインドシナ半島の熱帯アジアを原産とした落葉中高木です。

日本にも古い時代に伝わり、正倉院の『種々薬帳』という書物には、呵梨勒として紹介されています。種々薬帳には、ミロバランは整腸作用や下痢止めの効果がある生薬(漢方薬)として紹介されています。

ミロバランはタンニンを多く含むため染色材料としても用いられ、黄色、カーキー色に染まり、藍とともに染めると青磁に似た薄い緑色に染まります。 ミロバランにはルテオリンが多く含まれており、特に葉に多く、外皮や樹皮にもふくまれています。シャジクソウ属の花、ブタクサ属の花粉、サルビア・トメントーサの花にも含まれていますが、我々がよく食用とする食品としては、食用菊、セロリ、ブロッコリー、ピーマン、パセリ、シソ、ニンジンなどにも含まれています。

ルテオリンにはどんな効果がある?

ルテオリンはサーチュインの遺伝子発現をアップしますが、それ以外にもいくつかの薬理作用が知られています。抗酸化活性、免疫系の調整作用、糖尿病の改善作用を持つ可能性が示されています。そのほか、ルテオリンには尿酸値を下げる作用が確認されています。中高年の男性が健康診断項目で最も気になる尿酸値です。

この記事をお読みの方も、尿酸値が気になるという人は多いのではないでしょうか? 尿酸値の上昇はプリン体とよばれる成分の過摂取が原因といわれていますが、必ずしもプリン体過摂取のみが原因ではありません。むしろ、肥満や運動不足が伴う場合が多く、尿酸値の増加予防には食事療法に加え、脂質代謝を促す運動療法が医師からはすすめられます。

サーチュインの活性化は脂質代謝を促進しますので、ルテオリンの尿酸値抑制効果には、サーチュイン遺伝子の発現による効果が関与しているのかもしれません。

ルテオリンを食品から摂取するには、最も含有量が多いミロバランを食べればいいのですが、日本ではほとんど流通していません。ですので、おすすめしたいのは食用菊です。

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