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「手の震え」原因は緊張からくるものだけじゃない 「日常生活で困ることが多い」ならまずは受診を

東洋経済オンライン / 2024年3月9日 11時20分

手以外では声が震えたり、頭が横に揺れたりすることもあるが、震え以外の症状はないのが特徴だ。命に関わる病気ではなく、人口の2.5~10%が持っているともいわれ、決して珍しくはない。

60歳以降、年齢を重ねるにつれて発症しやすくなるが、20代にも発症のピークがある。「若くして発症する人は、家族に同じ病気の人がいるケースが多い」(織茂さん)という。 

・パーキンソン病

パーキンソン病は脳の神経細胞が減少し、動作が遅くなったり、体のバランスがとりにくくなったりする病気だ。50~60代で発症することが多い。

女性に多い「手が震える」病気

・甲状腺機能亢進症

“のど仏”の下あたりにある甲状腺という器官が甲状腺ホルモンを過剰に産生することで生じる。甲状腺を刺激する物質が体内で余計に作られることなどが原因だ。

甲状腺ホルモンは体の機能を活性化する働きがあるため、増え過ぎると交感神経が興奮し、手が震える。震え以外に、脈が速い、体重が減る、汗をかきやすいなどの症状も表れる。

甲状腺機能亢進症の代表例であるバセドウ病は、女性が男性の3~5倍で、特に20~30代女性の発症が多いとされる。

病院に行ったらよいのかわからない。受診するとしたら何科に行けばよいのだろうか――。そう迷っている人もいるかもしれない。織茂さんに聞くと、受診の目安は次のようなときなので、参考にしてほしい。

また、受診先としては、脳神経内科や脳神経外科などが考えられる。

病院で行われる治療

では、病院ではどんな治療をするのだろうか。

本態性振戦では、交感神経の興奮を抑える飲み薬などを使う。

震えが完全に消えることは難しいものの、「10あった症状を4~5、あるいは3程度まで軽くすることは可能」と織茂さん。そのくらいの改善度合いであっても、日常生活の負担は随分軽くなるという。

飲み薬が効かず、震えのために服のボタンを止めづらいなど、日常生活への影響が大きい重症例には、医療機器やそれに脳の手術を組み合わせた治療法がある。病気の原因はわかっていないが、脳の神経活動に異常が生じていることから、それを調整しようというコンセプトだ。

具体的には、脳の特定部位に細い電極を埋め込んで一定の刺激を与え続ける「脳深部刺激療法」や、脳の一部に超音波を当てて熱でダメージを与える「集束超音波治療」で、いずれも健康保険が適用される。

パーキンソン病では、脳内で不足するドパミンを補うために、「ドパミンの素」となる成分の飲み薬を使うのが、標準的な治療だ。

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