意見が合わない人と「深い関係を築く」単純なコツ 自分が正しくあることばかりを気にして陥る罠とは?
東洋経済オンライン / 2024年3月10日 17時0分
もし不幸な事故が起きて、あなたが病気になったり死にかけたりしたとき、あなたの面倒をみて手を握ってくれる人が、自分とは違う政党を支持しているかどうかなど、本当に気にすべきことなのだろうか?
意見が完璧に一致することはないという「問題」にどう対処すべきだろうか? 簡単である。人が間違っていても気にしないことだ。とりわけ、間違っているのが友人ならばなおさらだ。
友人が何か間違ったことを言ったとしても、それを訂正したり反論したくなる気持ちをぐっと抑えて、放っておけばよいのである。(ある問題について、自分と相手の両方が部分的に間違っているということはありうる。なので、「間違っていても気にしない」という言葉の真意は、もっと深くかつ重要だ。相手が現実について誤った見解を抱いているという確信をあなたが持っているのならともかく、単にそう思っただけで、人間関係を損ねてしまうのは馬鹿げたことだろう。)
たいていの場合、他人の考えを訂正しようという試みはうまくいかない。意見の相違の多くは、人間関係の根底を切り崩しかねないものであり、友情の質を落とし、表面的な関係の維持すら不可能にしてしまう。
批判は「潜在的コスト」を把握した上でなされるべき
人の考え―特に道徳的な信念―をよく理解し向き合うのではなく、批判しようという決断は、潜在的なコストをきちんと把握した上でなされるべきだ。特に、目下の意見の相違が道徳に深く根ざしているような問題であるときは、なおさらそうだ。
意見の不一致は、道徳についての相違であったとしても、道徳上の失敗であるとは限らない。人が道徳にまつわる考えを持つ〔に至る〕理由は様々で、文化や個人の経験から無知まで、多岐にわたる。もし誰かが推論によって誤った道徳観を持つに至ってしまったとしても、だからといってその人が悪人になるわけではない。
ただ単に、その人の推論が誤っていたというだけだ。しかし、もし実質的な意見の相違があるような問題について友人と一歩踏みこんだ会話をすると決めたのなら、それはより深い関係を築くためのチャンスにもなる。そうするには、よいやり方とまずいやり方とがある。
よいやり方はいつも、耳を傾けることから始まる。友人の見解がどういうものなのか、そしてどのようにして今の結論に至ったのか、本当に理解できているのか常に自分に問いかけよう。(自分の言葉で表現してみることで、正しく理解できているかを相手に訊ねてみればよい。)
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