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「世界一危険な道」をTVマンが歩いてみた【後編】 敏腕TVディレクターの「過酷な体験」驚きの結末

東洋経済オンライン / 2024年3月10日 11時52分

すると、可愛らしい模様のチベット服を着た、真っ黒に日焼けした80歳くらいのおばあちゃんが車に乗り込んできた。

顔つきはまるで日本人。おばあちゃんは運転手と談笑しているが、特にお礼を言う素振りはない。

どうやらこの辺りでは、歩いている人がいたら車に乗せるのが普通らしい。確かにこんな一本道にタクシーなど走っているはずもない。

「危険」は去り、チベット仏教の聖地へ

しばらく道を走り、おばあちゃんが指示を出すと車が止まり、運転手と談笑しながら車を降りた。

窓の外を見ると、そそり立った崖の300〜400m上部に集落というには小さすぎる7~8軒の家が立ち並んでいる。おばあちゃんはこれからあの急斜面を崖の上まで登るようだ。なんともたくましい。

それからもう少し車が進むと、川にかかる橋や学校らしきものが見えてきた。ぽつりぽつりだが建物も増えている。

運転手に「カザ?」と聞くと「そうだ」と身振り手振りを交えながら笑顔を見せた。カザはスピティバレーの中心地。

どうやら、あれが、この辺りで一番大きな村のようだ。

「世界で最も危険な道」の旅は終わりに近づいてきている。

インドの最北端に位置するレイ・ラダックに行く予定を変更し、何かに導かれるように辿り着いた辺境の地、スピティバレー。

インドとチベットの中間に位置するその場所は、標高4000メートルを超えるヒマラヤ山脈に遮られてきたことが幸いし、歴史的に中国の影響を受けてきたチベットとは異なる、伝統的なチベット文化が、今もなお、脈々と受け継がれているという。

厳しすぎる自然環境が故に、外部との交流を閉ざされてしまった山岳民族。そこに暮らす人々は何を食べ、どのような家で暮らし、どんな日々を過ごしているのか。

そして、そこに根付く独自の文化や風習とは。いよいよ、チベット仏教の聖地を巡る旅が始まる。

後藤 隆一郎:作家・TVディレクター

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