「チェンジマン」好きすぎる彼が"埼玉"で叶えた夢 ブラジル特撮ヒーローファン日本で"聖地巡礼"
東洋経済オンライン / 2024年3月10日 10時0分
「セーラームーンや幽遊白書でアニメが好きになりましたが、実際に日本を訪れるようになってからは、歴史にも惹かれるようになりました。ツアーは広がり続ける私の日本への興味を形にしたものです」
「トクツアー」と「日本100%」は、いずれも同じ旅行会社のパックツアーだ。旅行会社ア・グランジ・ホッタ(グランドラインの意味)は 2018年11月創立、新型コロナのパンデミックによる約3年間の事業の中断を経て、従業員ゼロで再建し、昨年4件のパック旅行を催行した。
「ポップカルチャーをテーマにした旅行業を手掛けたくて起業しました。日本のポップカルチャーに特化した旅行会社は、ブラジルで当社だけです」と話す社長のファブリシオ・ロッバさん(43)は、旅行会社設立まで日本に行ったことがなかった。
ポップカルチャーなら「日本」
そんな彼が日本に注目したのは、なぜだろうか。
「ポップカルチャー全般に詳しいジャーナリスト兼ユーチューバーのミリアン・カストロ(31)にパック旅行の企画を相談したら、“なら日本ね!”と一押しされたんです」
ロッバさんは、訪日経験のあったカストロさんを2019年1月に単身東京に送り、彼女自身が立てた旅程を自撮りしながら巡ってもらい、その映像をパック旅行のプロモーションに活用した。
現在、登録者数約59万人を数えるカストロさんのユーチューブチャンネル「mikannn」で、その映像を紹介すると大きな反響があり、同年9月にカストロさんが引率し、ロッバ社長も同行する「ジャパン・ポップ・オタク」ツアーを開催したのだった。
「ア・グランジ・ホッタ」社は、現在5組の日本のポップカルチャーに詳しいインフルエンサーと提携している。
「日本に詳しければ誰でもいいというわけではありません。10~14日間団体行動するわけですから、フォロワーである参加者との意見交換や触れ合いを積極的に楽しめる人でなければ案内役は務まりません。パック旅行の集客には日本の魅力に増して、インフルエンサーが魅力的であることが大切です」とロッバさん。
提携するインフルエンサーのカリスマと熱意を讃えた。
日本がニッチな旅行先から変わる?
昨年は、4回のツアーで48人の参加者を数えた。パンデミック後、事業を再開した年にしては、まずまずの1年だったとロッバさんは感じている。
「ブラジル人の主な海外旅行の行き先は、アメリカとヨーロッパです。日本は地理的に遠いこともあって、いまだにエキゾチックでニッチな旅先なんです。ですので、私たちはつねに定員を10~15人程度に抑えたコンパクトなパックツアーを企画しています」
日本がニッチな旅先とは寂しいが、状況を一変しうるビッグニュースが昨年8月に報じられた。日本の外務省が昨年9月30日をもって、ブラジル人の90日を超えない短期滞在に対してビザを免除することを発表したのだ。
冒頭のダニー・ツルギさんの訪日がかなったのも、実はビザ免除となり、観光ビザ申請時に必要だった貯蓄残高の証明が必要なくなったからだ。
「これでかなり集客がしやすくなります。2025年からは映画や格闘技をテーマとした新たな日本行きパック旅行も検討しています」と、ビザ免除について意見を求めると心なしかロッバ氏の頬が緩んだようにうかがえた。
パンデミックという霧が晴れるや、願ってもないほどに鮮やかな陽光が差し込んだかのようだ。
仁尾 帯刀(海外書き人クラブ):ブラジル・サンパウロ市在住フォトグラファー
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