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三菱商事キーマンが語る今後のローソンとの関係 「非上場化でローソンとの距離はむしろ近づく」

東洋経済オンライン / 2024年3月10日 7時10分

子会社化後は苦しい数年間だった

――2017年にローソンを連結子会社化して以降、ローソンの時価総額は縮小してきました。

東日本大震災の後、コンビニ各社は出店を増やした。その中で不採算店、立地に問題がある店舗も出てくる。2017年以降そうしたところの整理を一気に進めた。量から質に切り替えていったタイミングだったが、損失も発生しそれが業績や時価総額にもつながって、苦しい数年間だった。

(店舗の整理が終わり)いよいよ攻めに転じるという2020年に、今度はコロナ禍となり復活が遅れた。ただ、2017年からしっかりと地盤を固めた結果が、2023年以降の業績回復につながっている。

――市場からはローソンの資産効率改善が求められていました。社内ではどのように議論していたのでしょう。

(三菱商事としては)ローソンの資産効率は当然上げていきたい。そのために何ができるかはつねに考えている。ただ、2017年の子会社化以降、われわれ三菱商事からの出向社員はローソンをよくすることに集中した。

その流れの中で、2019年からKDDIと議論してきた。もちろん当時から今回のような(共同経営の)形を見据えていたわけではない。ただ、つねにローソンにとって一番いいのは何だろうと考えたとき、三菱商事が1社で独占支配するのが唯一の解だとは思っていなかった。

――業務提携ではなく、50%出資する「共同経営」となった背景は?

コミットメントの違いだろう。KDDIのことなので推測になるが、業務提携のままだとローソンの成長の中でそれに見合った貢献ということになるし、リターンも2.1%出資だとそれに応じたものにとどまる。

コミットを引き上げるからこそリターンも取れることになる。

――開示資料では「当初パートナー候補者」の存在が明示されています。2022年12月に協議に加わり、2023年12月に離脱していますが、事業スキームに影響はなかったのでしょうか。

KDDIとは2019年からいろんな協議をする一方、三菱商事としてはオープンスタンスで(さまざまな企業と)協業していきたいと思ってきた。今の中期経営戦略でもシェアドバリュー(共創価値)を出していきたいと言っている。

そのような発信をしている中で、共感していただけるところが自然と出てくる。それが2022年に起きたことだった。裏ではいろいろあったが、事業の絵は変わっていない。右往左往することなく、ぶれずにやってきたつもりだ。

非上場化でローソンとの距離はむしろ近づく

――将来、KDDI以外にもパートナーを迎え入れる可能性はありますか。

(新たなパートナーとして)適した方がいれば選択肢から外さないが、まずは今新しくトライしようとしている座組で頑張ってみたい。

――非上場化によって、ローソンに市場の目が届かなくなります。

そもそも三菱商事が市場の目にさらされている。もちろん、外部の声もしっかり聞くことは意識的にやっていきたい。

――ローソンとの関係に距離が生じませんか。

非上場化でローソンとの距離はむしろ近づくイメージだ。ローソンには本当にいろんな人が関わっている。例えばお弁当の工場に三菱商事が出資し、そこには三菱商事の社員もいてローソンの人たちと一緒に仕事をしている。マチカフェコーヒーも二人三脚で進めてきた。経営のスピード感も含めこうした距離感はさらに近くなる。

森 創一郎:東洋経済 記者

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