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銀座・和光が「オリジナル商品」増やしている真因 新社長が語る「和光らしさ」へのはてなき追求

東洋経済オンライン / 2024年3月11日 11時30分

“WAKO”というブランドになりたいと思っているのです。

――すでに和光は立派なブランドだと思うのですが……。

今も、“百貨店の和光”や“セレクトショップの和光”といった表現をされることはありますが、海外のラグジュアリーブランドは、「○○の〜」という言い方をされることはありません。

根底には革製品やジュエリーといった基軸があるにせよ、ライフスタイルを彩る世界観をきちんと表現し、世の中に伝わっている。だから確固としたブランドとして、人々の中に根づいている。和光もそういう存在になりたいのです。

――そのために必要なことは何なのでしょうか。

グローバル化していくことです。銀座の和光とはどういう場であり、そこに行けばどんな体験ができるのかを、グローバルレベルで伝え、理解してもらう必要があると考えています。

――グローバル化というと、とかく海外進出と捉えがちですが、そうではないということですね。

和光のグローバル化とは、世界中の方々がここを訪れ、ここでしかできない体験をしていただくこと。つまり“来ていただくグローバル化”と言えます。

――庭崎さんは、ここ数年、和光の取締役・常務執行役員も兼務していましたね。

そうなんです。現取締役副会長を務める石井と、これからの和光をどうしていくかについては多くの議論を重ねてきました。コロナ禍によって、それを加速度的に進めることになりました。お店を閉めざるを得なかったので、売り上げも立たないし、先行きも見えない。人通りがほとんどない銀座の街を歩きながら、これからについて考えたのは濃い記憶になっています。

コロナ禍に決めた「5つのお約束」

――どうやって前に進めたのですか。

新しいことに挑戦する姿勢が弱まっていると感じていました。だからまず、自分たちが進むべき方向をきっちり決めること、道しるべのようなものが要と考えたのです。

具体的には、“和光とは何か”を問うプロジェクトを立ち上げ、「5つのお約束」として社外に発信する一方、商品、売り場、接客など、あらゆる面について磨きをかけることにしました。

「5つのお約束」とは、①すべてに「ストーリー」があります、②必ず「本物」が見つかります、③いつも「サプライズ」をお届けします、④「一生のお付き合い」をいたします。⑤「銀座の街」と社会とともに歩みます――ということです。

――まさに“らしさ”を追求したのが、凝縮された「5つのお約束」ということですね。

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