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会社四季報元編集長が語る「有望銘柄発掘の近道」 新NISA開始から2カ月、日経平均は最高値更新!

東洋経済オンライン / 2024年3月11日 7時0分

現状ではどうかというと、前号発売時点では220近い銘柄の投資単位が50万円を超えており、そのうち56社が日経225採用銘柄。セブン&アイ・ホールディングス(HD)などいくつかの会社は株式分割を発表しており四季報にもその旨が書かれていたが、昨年12月時点で投資単位が50万円超だったので、この社数に含めている。

ちなみに、日本の主力である証券コード6000番台(機械・電機)は52社で最も多かった。

41社が株式分割を発表

ところが、前号の新春号が出た後から2月12日までに株式分割を発表した会社は41社に上っている。こうした銘柄は個人投資家が買いやすいので、株価の上昇が期待できる。

例えば、日清食品HDは1月1日付で1株を3株に分割すると発表したが、そこでチェックしたいのは投資単位が50万円以上の同業他社の動き。東洋水産は2月半ば時点で投資単位は約80万円だが、もしかすると日清食品HDに追随する可能性がある。富士通も4月1日付で1対10の株式分割を実施すると1月31日に発表したが、NECはどうするのかは気になるところだ。

東証からの要請もさることながら、新NISAの開始以降、アクティビストへの対抗軸として個人投資家の長期保有を目的に投資単位を引き下げる会社が増えている。次の決算に合わせて発表するケースもあるだろうし、四季報内に記載されていたらこれを機に買うことも考えられる。中でも、日経225採用銘柄が実施するとしたらインパクトは大きい。

日経平均株価が史上最高値を更新するなど市場は盛り上がっているが、すべての会社が好調なわけではない。

中国の景気低迷は顕著であり、資生堂など同国を軸に事業を展開する会社は業績、株価ともに芳しくない。他方、トヨタ自動車やコマツなど米国で事業が好調な会社は冴えている。現地のインフレや円安が業績を後押ししているのも要因だ。

新NISA関連としては、個人投資家に認知されているBtoCビジネスを展開する会社は株が買われやすく、上昇は継続するだろう。

防衛関連銘柄は思惑で動いていたが、業績に反映され始めるのは今後のこと。NECは200億円規模の設備投資を行い、魚群探知機や船舶レーダーを取り扱う古野電気も売り上げ増といわれているが、本格的に動くのはこれからだ。

チェックしておきたい「DOE」

東証の要請もあり株主への配当を高める会社が増える中、「DOE(自己資本配当率)」はチェックしておきたい経営指標だ。

これは、自己資本に対して企業がどの程度の利益配分を行っているかを示すもので、例えば、自己資本100億円に対して配当金総額が10億円ならDOEは10%。業績に合わせた配当性向より変動が小さく安定的な指標として捉えやすいことから、発表する会社が増えている。

DOEを分解すると配当性向×自己資本利益率(ROE)となり、前者の目安は30%で後者は8%なので、DOEは2.4%が基準。日本マクドナルドHDはちょうどこの水準だ。四季報の新春号ではDOEが特集されていたので保存しておくとよいと思う。

仮に「2.5%を目指す」と明言している場合、現在の配当性向やROEの水準からして妥当性はあるのか確かめればよい。こういった視点からも、投資家から買われやすい銘柄を見つけることができるだろう。

(構成:ライター 大正谷正晴)

山本 隆行:『会社四季報』元編集長

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