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健康意識が高い人は注意「塩分、糖分は控えめ」の罠 悪者にされがちだが、不足するリスクも大きい

東洋経済オンライン / 2024年3月12日 6時40分

どの程度が多食になるかは人それぞれですが、和食は肉類のおかずが少なく、タンパク質や脂質をあまり摂れないため、「健康にいい」と信じすぎるのもどうかとは思います。

さまざまな研究から、アジア人は欧米人と比べて糖尿病にかかりやすいことが指摘されていて、その理由が白米の摂取量にあることもわかっています。

2012年にハーバード公衆衛生大学院のチームが、日本、アメリカ、オーストラリア、中国の4カ国で行なった計35万2384名分の研究報告を分析した結果を発表していて、それによると一日当たりの白米摂取量が茶碗1杯増えるごとに糖尿病のリスクは11%上昇することが明らかになっています。

しかし、それなのにアジア人のほうが寿命の長いことは忘れてはなりません。年をとるほど「栄養が余ること」よりも「足りないこと」の害のほうが多くなるのです。

中高年になればタンパク質や脂質を積極的に摂ることが大切で、ご飯やパン、麺類などの炭水化物の摂取量は、タンパク質や脂質を増やすことで相対的に減らしていくことが健康のためにいいと思います。

作家の幸田露伴は食通としても有名で、味の好みにうるさく、舌に合わないものを供されると「俺は、掃き溜めではない」と激怒したそうです。その一方で「食べ物というのは、うまいと思って食べれば栄養になる。まずいと思って食べれば決して滋養にはならない」とも言っています。こうした心得は、とくに高齢者にとって参考にすべきものでしょう。

免疫力をアップするために好きなものを食べよう

現在、日本国内における死因はがんがもっとも多く、厚生労働省による2022年の統計では38万5797人が、がんで亡くなっています。がんがなぜ発症するかについてはさまざまな説がありますが、いずれにしても毎日体内に発生する、がんになるかもしれないできそこないの細胞を撃退するうえで、免疫の力は欠かせません。

ストレスのある生活を続けていれば、免疫力は間違いなく低下して、健診の数値がすべて正常でも急にがんになってしまう可能性は決して少なくありません。免疫力アップに効果的なのは好きなものを食べることです。

同じものばかりを過剰摂取するフードファディズム(食べ物の健康への影響を過信すること)は、慢性型アレルギーを発症して身体の酸化を招くリスクがあります。

私もかつて「海藻やソバがよい」と世間でいわれるのを聞いて、意識してたくさん食べていたら、逆に海藻やソバの慢性型アレルギーになってしまいました。

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