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「35歳以上はNG」清掃員求人に中国で沸く怒りの声 「35歳の壁」「学歴」全人代で印象に残る言葉

東洋経済オンライン / 2024年3月13日 12時0分

中国人民大学教授で中国社会保障学会会長の鄭功成氏(全人代代表)は、年齢制限に加え、学歴至上主義の価値観の修正を訴えた。

中国は日本と比較にならない学歴社会で、若者の就職難を背景に大学院進学率が上昇の一途をたどる。鄭功成氏によると、若者が社会に出る年齢が上がるとともに、雇用側の「年齢の壁」によって就職がさらに難しくなり、袋小路に陥っているという。

鄭功成氏は「社会全体が低学歴者を見下し、人材採用において能力や人格より学歴を重視する風潮は、絶対に改めるべき」との考えを示した。

中国エアコン最大手の珠海格力電器トップで、中国を代表するたたき上げの女性経営者として知られる董明珠会長(全人代代表)はテレビ番組に出演し、2021年から流行語になっている「躺平(寝そべり族)」に持論を述べた。

寝そべり族は、格差の拡大を背景に「今の社会では頑張っても何も変わらない」と悲観し、努力をやめてしまう若者を指し、中国政府は「経済成長を阻害する」存在として苦々しい眼で見ている。

董明珠会長は「若者が寝そべり族になるのは、今のポジションではふさわしい扱いや評価を得られないと失望した結果だ。彼らの潜在能力や才能をどう生かすか企業が考え、力が発揮できるポジションを見つけなければならない」と語った。

董明珠会長は昨年3月、転職する従業員について「会社はたくさんの費用、時間、労力を割いて従業員を育てている。従業員の転職先から教育費を取る法律をつくるべきだ」と発言し波紋を呼んだが、その意図についても語った。

通常の転職者ではなく、10年以上雇用し一から育てた従業員を念頭に置いているとしたうえで、「転職にあたって従業員が示した成果やスキルは、企業がつくったプラットフォームや投資を受けて培われたもので、従業員が個人で生み出せたものではない」と持論を展開した。

両会期間の経営者や専門家の発言は多岐にわたるが、国民が抱えている不満や課題に刺さるものはSNSで瞬時に拡散されるため、時代感が鮮明に映し出される。過去に注目された発言も紹介したい。

日本の炊飯器議論が起きた2016年

2016年の全人代では複数の著名経営者が日本の炊飯器に言及した。

スマートフォンメーカー大手シャオミ(小米科技)の創業者である雷軍CEOは、多くの中国人が日本で「爆買い」している炊飯器を詳細に分析したと明かし、「これまで炊飯器は大した技術もないと思っていたが、日本の炊飯器は米粒が踊るように炊きあがる」と紹介した。

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