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中学で学ぶ「ルート」の凄さ、東大生が熱く語る理由 ビジネスにも役立つ「白銀比」「黄金比」とは?

東洋経済オンライン / 2024年3月14日 11時0分

この理由を考えるうえで重要になるのは、そもそも「A4」という大きさの規定、仕組みを理解することです。まずはここをおさらいしてみましょう。

そもそもA判とは、現在では印刷用紙の国際規格サイズにも採用されている、19世紀末にドイツで生まれた用紙の規格のことを指します。ドイツの物理学者オズワルドによって提案されました。このA判では、縦横比が1:ルート2で、面積が1平方メートルとなる長方形をA0と名付け、その面積を半分にするごとにA1、A2、A3となる仕組みになっています。

A4、A5というような用紙サイズのほかに、B4、B5という言葉も聞いたことのある人が多いでしょう。B判は、日本の美濃の国(現在の岐阜県)で古くから作られていた和紙をもとに定義された国内規格サイズになります。縦横比はA判と同じ1:ルート2なのですが、B0の用紙の面積は1.5平方メートルとなります。

この2つの印刷用紙が、現在日本では広く使われています。A0の紙、B0の紙に対し、A1、B1はそれぞれ半分に折ったサイズになります。つまり、「A4」はA判の用紙を4回半分に折った後の大きさということになります。

ここでポイントになるのは、何回紙を折っても縦横比が一緒になるという点です。このポイントを満たすために、縦横比にはルートが使われているのです。

なぜ折り曲げても縦横比が変わらない?

折り曲げても縦横比が変わらない理由を考えてみましょう。

横の長さが1、縦の長さがルート2である長方形を、縦の長さが半分になるように折ります。すると、縦の長さは1/2倍されるため、(ルート2)/2と表されます。ここで、(ルート2)/2 = 1/(ルート2)であるため、半分にした後にできる長方形の縦横比は、縦:横=1/(ルート2):1 = 1:(ルート2)となり、もともとの縦横比と同じになるのです。

もちろん、もともと長いほうであった辺が短くなるため、回転をさせる必要はありますが、この計算を繰り返し行うと、何回折り曲げても縦横比は同じになるのです。

縦横比がサイズにかかわらず一定であることは非常に重要です。もしこれが一定でなければ、ワードやエクセルなどで作成した資料も、サイズを考慮せずに自由に印刷することは困難になります。資料作成ツールの縦横比が固定されているのは、印刷用紙の縦横比が一定であるから、つまり「ルート」が使われているからなのです。ルートがさまざまな資料に大きく役に立っているのですね。

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