「辞められても困らない部下」が抱える重大な問題 教育コストがかかる若者を採用したくない本音
東洋経済オンライン / 2024年3月15日 7時40分
ブラックな職場だと、当然敬遠される。しかしホワイトすぎる職場だと、成長できないからといって優秀な若者は定着しない。
若者の言い分は「キチンと育ててほしい」だろう。一方、上司の言い分もある。それは、
「キチンと育ててほしいなら、育てたいと思われるようにしろ」
「育ててもらうのが、当たり前と思うなよ」
である。
昭和世代の経営者や上司だけではない。若い経営者が集まる会でも、そのような話題が出た。32歳のスタートアップ企業の社長からは、こんな発言も飛び出した。
「タイパを大事にしているので、成長が遅い若者にかまっていられません」
しのぎを削るスタートアップの業界では、このような発言も過激ではないようで、他の参加者からも賛同の声が上がっていた。当然かもしれない。
彼ら彼女らは、
「本気で成長したいなら、自ら起業しろと言いたい。それが一番早いんだから」
と思っているからだ。
いずれにしても、ブラックでもなく、ホワイトすぎるわけでもない、ちょうどいいぐらいに引き締まった職場は厳しい。ブラックと違うのは、理不尽な厳しさか少ないというだけだ。
上司にだって部下を選ぶ権利がある?
部下は上司を選びたいだろう。誰だって若いときに、いい上司の下で働きたいはずだ。しかしその反対も然り。上司も部下を選びたいのだ。
以前ある有名な経営者が言っていたことが思い出される。
「いちばん仕事ができるベテランに、主体性のない部下の面倒を見させるのは会社の損失です」
そうなのだ。やはり、わかりやすい目安は主体性だ。主体性が低い部下に辞められても困らない。それが多くの上司の本音だろう。
新刊でも記した。私は、主体性に欠けている人は「病気」だとさえ考えている。もちろん特殊な事情があるなら話は別だが、そうでなければ主体的でないことが、どれほど重大な問題を抱えるかということを正しく知っておくべきだ。
なぜか?
主体的に仕事をするのは、ビジネスパーソンとして当たり前のことだからだ。これだけAIやロボットが単純業務を自動化する時代に、「指示待ち」の姿勢を貫こうとするのはムリがありすぎる。
また、指示や具体的な方針が出るまで働かない受け身の姿勢が、どれほど周りの人たちに負担をかけることになるのか、少し考えればわかるはずだ。
主体性に欠ける、というだけで組織にはマイナスである。そのことは必ず胸に刻んでほしい。指導する立場のマネジャーも自覚すべきだ。
「なかなか主体的に動けないようで」
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