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「貧しい家の子の成績下げる」アルゴリズムの波紋 イギリスで起きた衝撃、責任は誰にあるのか

東洋経済オンライン / 2024年3月18日 16時0分

2021年初め、教育大臣のギャヴィン・ウィリアムソンは、この年の中等教育修了一般資格とAレベルの成績判定方法について、「何があってもアルゴリズムは使わない」と満面の笑みで保証した。「この私が見張っているかぎり、突然変異によって大混乱が引き起こされることはない」ということなのだろう。

仕組みをつくった当人に責任を負わせるのは、真っ当なことなのだろうか。この質問の答えは明らかに「いいえ」だが、そこからもう一歩踏み込んで考えるべきことがある。

大臣たちは、全体的な目的は定めるが、それを目指すことによってどんな副産物が生じる恐れがあるかについては、各省の職員たちからの提言に頼っている。大臣たちは、担当する省が行っている、あらゆる技術的な作業をすべて逐一管理すべきなのだろうか。あるいは、そもそもそれは可能なのだろうか。

しかも、その分野の専門家でない人物が、どうすれば効果的に管理できるのだろうか。政策のためのアルゴリズム設計とは、政治的な選択と技術的な選択のあいだを行ったり来たりして行われるべきものなのだ。

(後編:3月19日配信に続く)

ジョージナ・スタージ:統計学者(英国議会・下院図書館所属)

尼丁 千津子:英語翻訳者

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