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ガチ中華で人気「白酒」中国の生産地で見た光景 日本でも知名度高まる白酒、どんな製造工程?

東洋経済オンライン / 2024年3月18日 13時0分

白酒は小麦や高粱(コーリャン)という稲科の植物を発酵させて作られる蒸留酒であり、アルコール度数が40〜70度と高いのが特徴で、製法や原料によって醤香(ジャンシャン)や濃香(ノンシャン)、清香(チンシャン)など数種類に分けられる。

茅台で作られる白酒の多くは醤香型で、上品な香りと濃厚でしっかりとした味わいが特徴だ。

白酒はウイスキー同様、ブランドや製造年数の長さによって値段も大きく異なり、安いものでは数百円、高いものだと数万円以上する。貴州老掌柜の白酒はボトル1本あたり60元(約1200円)から100元(約2000円)の商品がボリュームゾーンとなっていて、比較的安価で飲めるブランドだ。

製造工程は、まずは細かく砕いた高粱(コーリャン)を煮て蒸してから冷却するのを2度行う。そして小麦から作った白酒の麹菌(中国語で「曲」という)を投入、高粱と麹菌の混合物を大きな穴に入れ、土をかぶせて約30日発酵させる。

最初の発酵が終わったら、もう一度高粱と麹菌の混合物を煮て蒸してから、冷却したのち、さらに麹菌を追加し発酵させる。この同じ作業を繰り返し、合計8度発酵させるのだ。

「1回の発酵に30日かかるため、白酒のアルコールを取り出せる状態になるまで少なくとも8カ月、前後の工程も含めると白酒を作るのに約1年の時間がかかるんです」と方さん。

十分に発酵した高粱と麹菌の混合物を蒸留させて、アルコールを取り出したものが白酒になる。

白酒は甕に入れて保存し、短いものでは1カ月、長いものでは5年寝かせて、はじめて出荷される。

油が多い料理や、辛い料理とよく合う

ちなみに、同社(および茅台鎮の多くの白酒を醸造する企業)で醸造される白酒の原料である高粱は、紅纓子高粱という品種を使用している。

これは地元の仁懐市で穫れる高粱で、ほかの品種に比べて小ぶりで皮が厚く、粒がふっくらとしている。白酒を作るうえで必要な複数回の蒸しや冷却、発酵といった複雑で多重な工程に耐えられるため、白酒に適した品種といえるわけだ。

工場で発酵の度合いが異なる白酒を数種類試飲させてもらったが、香りや口当たりの柔らかさが異なっていた。ほかの種類の白酒でも同じことが言えるが、醤香、濃香、清香など異なる種類の白酒を飲み比べて試すと自分の好みがわかるようになるのでおすすめだ。

白酒の産地である貴州の料理はもちろん白酒と合う。油を多く使った料理や辛い料理といっしょに白酒を飲むと、口の中の油っこさが洗い流されてさっぱりしたり、辛味が中和されたりするのだ。

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