「車内エンタメ」をウリにしたミニの新しい世界観 新型カントリーマンが見せた「特別な体験」
東洋経済オンライン / 2024年3月18日 12時0分
ポルトガルの道では、この2つのモードを使いわけて走った。山岳路では、腕や足の小さな動きでクルマが機敏に動いてくれるゴーカートモード、海岸道路や高速道路ではグリーンモードで、という具合。
実は最新のミニには、ノーマルモード相当の「コア」モードなど、全部で7つものモードがある(SUVのカントリーマンだけは「トレイル」モードがあって8つ)。
走りの変化はなく、ライティングやサウンドなど、ドライバーの気分をもり立てるためのモードもあるのだが、これがなかなかおもしろい。
ミニ(とBMW)が見せる新たなクルマ像
まさにこの“エクスペリエンス”こそ、最新のミニの製品戦略じゃないかと私は思った。運転がそもそもエクスペリエンス(体験)なのだけれど、ミニではそれに加えて乗っている時間、ドライバーと他の乗員に特別な体験を与えようとしているからだ。
たとえば「ビビッド」モードは、音楽による演出でドライブ中の気分をもり立てようというもの。ストリーミングも使えて、選ぶ音楽に応じて、インテリアのライティングも変わる。
ミニ(とBMW)で感じられるのは、さまざまな方面での差異化を図っていることだ。それには走り、デザイン、走行支援システム、そして上記のような車内のエンターテイメントが含まれる。それをセリングポイントにしている。
これまでの自動車業界の動きを見ていると、BMW/ミニはたいていマーケットにおいて先手をうまく打ってきている。カントリーマンは、その象徴のようなクルマだった。
小川 フミオ:モータージャーナリスト
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