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「コーヒーで疲れを誤魔化し続ける人」迎える末路 疲労を忘れるメカニズム「休養学」博士が解説

東洋経済オンライン / 2024年3月20日 9時0分

同じようにスポッとはまった状態でも、カフェインにはヒスタミンの放出抑制機能はありません。つまりヒスタミンが放出されたままになるので、「眠い」という信号が出ません。

こうなると、本当は疲れているのに、疲れや眠気を感じることができなくなります。これが、カフェインが疲労感を抑制するしくみです。ですからコーヒーを飲むと眠気が覚めるのです。

疲れたときはエナジードリンクを飲むという方もいるかもしれません。エナジードリンクとか栄養ドリンクといわれる飲料は「〇〇〇という成分が△ミリグラムも入っている!」などとうたっていますが、主成分は糖分、そしてカフェインです。ですから、コーヒーと同じしくみで、一時的に疲労を忘れられるのです。

「燃え尽き症候群(バーンアウト)」にご用心

本当に忙しいときは、コーヒーや栄養ドリンクを飲んで乗り切らないといけないときもあるでしょう。しかしそれに頼ってばかりいるのは禁物です。

疲れ方というのは、個人差が非常に大きいものです。どれくらい一時しのぎができるかはその人の年齢や体調にもよります。

「あの人ががんばれるのだから、自分も同じようにがんばれるはず」ということはありません。それにもかかわらず疲労感をマスキングし続けることは、体にとって相当な嫌がらせになります。

人それぞれ、もって生まれた体質は違います。睡眠時間も同じで、3時間でも大丈夫な人と、10時間寝なければダメな人がいます。仮に年齢や性別が同じでも、体質は一人ひとり違うのです。

人間は永遠にがんばり続けることはできません。マスキングが常態化してしまうと、どこかでポキッと折れてしまうでしょう。その先は「燃え尽き症候群(バーンアウト)」と呼ばれる状態になることが知られています。

燃え尽き症候群には12段階があり、最初は自分の存在価値をなんとか証明しようと一生懸命無理をすることから始まります。次に「がんばる」とか「ひきこもる」などの段階を経て、11段階目になると、うつ病になります。最後が燃え尽き症候群です。

こうなると何もできない状態になってしまい、治療に時間を要することになります。

片野 秀樹:博士(医学)、日本リカバリー協会代表理事

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